国土交通省は8月29日、主要都市の高度利用地など全国80地区における2025年第2四半期(4月1日~7月1日)の地価動向を調査した「地価LOOKレポート」(PDF)を公表。全80地区で6期連続の地価上昇となった。住宅地は13期連続、商業地は6期連続での上昇となっている。変動率は「上昇(3~6%)」が5地区、「上昇(0~3%)」が75地区だった。
上昇の要因として、住宅地では利便性や住環境が優れた地区を中心にマンション需要が堅調だったことを挙げた。商業地では再開発事業の進展や観光客の増加により、店舗・ホテル需要およびオフィス需要が堅調だったことが影響している。

変動率区分の推移
このうち住宅地は22地区すべてで上昇したが、変動率区分に変化はなかった。「福岡県大濠」も引き続き「上昇(3~6%)」の高い上昇率を維持した。商業地も58地区のすべてで上昇。「中野区中野駅周辺」では、変動率区分が「上昇(0~3%)」から「上昇(3~6%)」に移行。「横浜市みなとみらい」は上昇率が鈍化し、変動率区分が「上昇(3~6%)」から「上昇(0~3%)」に移行している。
大濠、高価格帯物件が市場をけん引
住宅地のうち「福岡県大濠」では、マンションの販売価格の上昇が継続。中でも富裕層に好まれる、高価格帯の分譲が可能な地区が市場をけん引している。需要者である富裕層は設計変更への対応など、納得できる建物の提供を望む傾向が見られる。賃貸市場でも、都心で利便性に優れる高稼働の築浅賃貸マンションを中心に家賃は強含み。金利上昇局面だが、資金需要に目立った変化は見られない。将来の地価動向もやや上昇で推移すると予想される。
「東京都佃・月島」では、マンション需要が引き続き堅調で、新築マンションの販売状況も好調。投資家などからのマンション需要は根強く、将来の地価動向もやや上昇で推移すると予測した。一方で、分譲価格や賃料への価格転嫁の余地は徐々に縮小している。
大阪市中心部のオフィスエリアに近接する「大阪市福島」では、うめきたエリアの順次開業により利便性が高まっていることから、マンション需要は依然として強く、分譲価格も上昇傾向にある。「うめきた2期地区開発プロジェクト」の工事進捗に伴い、将来の地価動向はやや上昇で推移することが見込まれる。
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