国土交通省は6月18日、2025年度「優良木造建築物等整備推進事業」(普及枠)第1回募集の採択結果を発表した。4月の募集期間中に15件の応募があり、「(仮称)全建総連新会館新築工事」など15件すべてが採択された。
「優良木造建築物等整備推進事業」は、炭素貯蔵効果が期待できる中大規模木造建築物の普及に資するプロジェクトや、木造化に係る先導的な設計・施工技術が導入されるプロジェクトに対して支援を行うもの。
「普及枠」では、▽主要構造部に木材を一定以上使用すること▽共同住宅・事務所は階数4以上、非住宅は階数3以上、または延べ面積3000㎡以上であること▽ZEH・ZEB水準に適合すること―などを要件としている。同時に募集した第1回「先導枠」の採択結果と、「普及枠」の第2回募集は後日行う予定だ。
採用された事業は次の通り。
採択事業のうち、「(仮称)全建総連新会館新築工事」(全国建設労働組合総連合)では、既存会館の建て替えに伴い、集会場を備えた地上4階建ての事務所棟を建設。構造は鉄筋コンクリート造・木造混構造で、一部鉄骨造となっている。外装および内装の一部に杉小幅板の特殊型枠によるコンクリート化粧打ち放し仕上げを行う。
他に、「成蹊大学学生寮建設事業」(成蹊学園)では、国内外から集まる学生たちが共同生活を送るための学生寮(居室約100室)を建設。地上3階・地下1階建てで構造・内外装の一部に木材を使用する。「高井田プロジェクト」(因幡電機産業)では、構造に木造ハイブリッド(S造・一部木造)を採用した地上4階建ての事務所棟を建設する。

成蹊大学学生寮(左)と因幡電機産業事務所棟の完成イメージ
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