建設産業専門団体連合会(建専連)はこのほど公表した2024年度の「働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果報告書」(PDF)の中で、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録状況などについて報告している。
CCUSの登録申請状況では、会員の75.4%が「事業者と全員の技能者登録が完了している」と回答。前年度から4.9ポイント上昇した。「事業者と一部の技能者登録が完了している」「事業者登録が完了し、技能者登録申請中」の回答を合わせると9割以上がCCUSに登録している。

CCUSの登録申請状況(報告書より引用)
その一方で、社員数が少ない企業では全員が技能者登録している割合が低く、「1~4人」では44.4%、「5~9人」では69.5%にとどまった。職種別では、「とび・土工工事業」は88.7%と登録している割合が高かったが、塗装工事業では56.5%となった。「大工工事業」は82.6%で、前年度の82.4%からほぼ横ばいとなっている。技能者登録タイプの割合は、「詳細型」が72.4%と大半を占めた。
個別意見では、「都会と地方では温度差があり、これまで登録するメリットがなかったが、最近になって一部で活用されるようになってきた」といった意見が見られた。
レベルアップ申請の状況については、「積極的に申請を進める」が60.1%、「現状のレベルで満足しており、条件が整えば申請したい」が17.9%、「元請企業・取引先から指示があれば申請する」が14.7%となり、積極的に活用する企業と慎重な企業とで対応が分かれる結果となった。
リーダー設置現場も増加
CCUSのカードリーダーが設置されていた現場の割合については、年々その割合が増加。「80%」(16.2%)は前年度比4.2ポイント増、「0~80%未満」は2.3ポイント増となっている。逆に「0%」(16.5%)は3.6ポイント減、「20%未満」(29.4%)は2.9ポイント減となった。
個別意見では、「ハウスメーカーなどの住宅系の現場では、ゼネコンと比べてカードリーダーの設置率はまだまだ低い」「現場への入退管理が、元請により顔認証やカード認証など異なるため、統一化してほしい」などがあった。

カードリーダーが設置されていた現場の割合
■関連記事
厚労省、地方の雇用課題で報告書 スキルと賃金の見える化推進
CCUS登録技能者が162万人に 大工は2万人 新規登録現場が急増
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。