屋根材には各メーカーによる施工時の仕様や基準が定められている。商品開発時に試験を繰り返し、防水性や耐久性などを考慮して示されたものだ。これを無視して住宅事業者が勝手に決めた仕様で施工すれば、雨漏りリスクも増大してしまう。根拠のない自己満足で施主の生活を脅かすようなことはあってはならない。実際に久保田さんが直面した事例から自分勝手な施工の弊害を説く。
私の携帯電話が鳴った。西日本へ雨漏り調査に行った際に出会った建築事業者からだ。当時は点検口新設などの工事に協力してもらった。
数年ぶりの連絡ということで驚きつつ話を聞いてみると、関東在住の兄弟宅で雨漏りが起きているのだという。「関東で修理ができる人を紹介してもらうことは可能だろうか?」という相談だった。
雨漏りが生じるような家を「作品」と呼ぶ感覚に驚く
その家は築16年ほどの切妻屋根の木造住宅だった。屋根勾配に合わせて室内も勾配天井であること、屋根下地として角材が敷き詰められており室内側からその角材が見えていること、2年前に新築の事業者に依頼しての塗り替え工事が行われていたこと、雨漏りは降雨のたびに起きているわけではないこと、新築した事業者には相談していないこと、などの事情を聞き取った。
ここまでの話を通していろいろ想像できることもあったが、まずは現場を見てみなければ判断はつかない。さっそく現地調査に行ってみると・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号(2025年5月10日発行)特集建築バズ企画斬』(P.62〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
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