阿部建設・専務取締役の阿部将也氏は大手ハウスメーカー勤務後、2016年に父親の阿部一雄氏が社長を務める阿部建設に入社した。当時社員の平均年齢は45歳超。
同社独自のテクニカル制度(図)の教育の難しさもあり、若い社員が定着せずに50、60代の社員が多く、中間層がいなかった。当時同社は同族経営で社長のワンマン体制。
上意下達で決定スピードは早いが、下からの意見は反映されにくい。将也氏はこの組織の改革に着手した。リーダーを登用し、社員代表的な位置づけのリーダー会を設置。若手が働きやすい開かれた組織を目指した
取材・文:大菅力
若手社員が育つ体制づくり
❶組織改革にあたり、阿部将也氏は全社員と面談。会社への不満や仕事の悩みなどを聞いた。リーダー登用にあたり、役割と振る舞い方を伝える必要がある。まず自分がその役を担い経験した
❷阿部氏は社員との面談に際して、根本原因を突き止めようとする丁寧なコミュニケーションを取った(次頁参照)。この体験をもとに各部門にリーダーを登用
❸リーダーは一般社員との定期面談のほかOJT指導や人事評価を担当。その際には阿部氏が行ったコミュニケーション方法を用いた
❹リーダーには次代の取締役候補として伝えた。阿部氏と定期面談など緊密にコミュニケーションを取り、意識を高めた。仕事の負担が大きくなる分、後述する評価制度を採用して、給与を増やした
❺リーダーは一般社員から吸い上げた問題点を阿部氏に報告。リーダーと阿部氏で開催するリーダー会でそれらの改善策を協議して仕事のやり方などを変えていった
❻上記の仕組みだとリーダーの負担が大きくなる。そこで・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー3月号(2025年2月28日発行)脱まったり工務店』(P.40〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
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