LIXIL(東京都品川区)は1月15日、宏幸(神奈川県横浜市)と協業し、ユニットバスの浴槽・床などに使われるFRP(繊維強化プラスチック)のマテリアルリサイクルを1月10日から開始したと発表した。
浴槽などの素材として使われるFRPは、熱硬化性樹脂にガラス繊維等を組み合わせた複合素材のため、素材を分離してリサイクルすることが難しく、不要となったFRPの多くが埋め立てや焼却処分されている。同社の浴室工場では、廃FRPを粉砕し、セメントの原燃料とするサーマルリサイクルを採用。廃棄物を焼却した際に発生する「熱エネルギー」を回収して利用してきたが、サーマルリサイクルを減らすことで再資源化率の向上を図る。
今回、再資源化事業計画認定企業である宏幸と協業することで、同社筑波工場から排出されるすべての廃FRPを、新たな製品の原料として再利用するマテリアルリサイクルできるようになる。浴室工場全体のFRP廃棄量の約半分の再資源化が可能となり、資源の循環利用を加速。浴室工場全体の廃棄物の再資源化率は86.2%となる。
同社は、2050年までに事業プロセスと製品・サービスによるCO2排出量の実質ゼロをめざしており、実現に向けた重点領域のひとつに「資源の循環利用を促進」を設定。浴室事業の「事業プロセス」のフェーズにおいて、廃棄物のリサイクル率90%以上を達成するなか、再資源化率をさらに高めるため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの比率を高めていく活動を実施している。
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