東京都は11月19日、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間が満了した、いわゆる「卒FIT」の住宅用太陽光発電設備の所有者から余剰電力を買い取る「とちょう電力プラン」(2025年度分)で募集を開始した。
このプランは出光興産が供給事業者となり、通常の買取価格9.5円/kWhに都が1.5円/kWhを上乗せし、計11円/kWhで買い取る制度。卒FIT電力を都有施設で有効活用する目的で2020年から開始した。買い取った電力は、都有施設に設置された太陽光発電設備の電力と合わせて、都立特別支援学校や廃棄物埋立管理事務所に供給される。
買取対象者は、都内(離島を除く)の住宅用太陽光発電設備(低圧)の所有者で卒FIT設備に限定。買取対象期間は12月検針日から26年12月検針日の前日までで、上限の1万7000kW(約5000件分)に達し次第、受付を終了する。申し込みは「とちょう電力プラン」の公式ウェブサイトで受け付ける。なお、買取価格については26年12月検針日の前日までに、1度のみ改定を行う場合があるとしている。

「とちょう電力プラン」の概要
都内産「卒FIT」電力を積極活用
「FIT制度」の前身となる余剰電力の買取制度は2009年11月に開始。固定価格で買い取る期間は10年間となっていたため2019年11月以降、順次「卒FIT」を迎える設備が増加している。これまでの累計で、2023年までに約135万件(約819万kW)が終了したほか、25年までの累積で約200万件(約860万kW)に達する見込みだ。今後も「FIT制度」は継続されるものの、「卒FIT」後の売電価格の低下が、住宅用太陽光発電設備の導入に影響を与えるとして懸念されている。
一方、都では「ゼロエミッション東京」の実現に向け、2030年までに都内施設で使用する電力の再生可能エネルギー100%化を目指しており、都内産「卒FIT」電力を積極的に活用する考えを示している。
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