子育てグリーン住宅支援事業の「賃貸住宅の新築」の補助対象に、「密集市街地の地権者が信託を活用して新築する賃貸集合住宅」が11月22日から追加される。これは、老朽化した建物が密集する市街地の解消を目指す国の取り組みの一環だ。
本事業における信託とは、建物が密集する市街地の複数の地権者(委託者)が、不動産を信託事業者(受託者) に託し、管理・運用を委ねることを指す。地権者が自力での建て替えを進めることが難しい場合でも、受益者としての地位を保持したまま専門家に運用を任せられるため、再開発のハードルが下がる効果が期待される。
信託を活用する場合、建築事業者は「補助事業者」、受託者は「共同事業者」として位置づけられ、両者は「共同事業実施規約」を締結しなければならない。補助対象となる住宅には、GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅などが含まれる。補助金の還元方法や申請手続きは同事業における通常の賃貸住宅と同様の扱いだ。
建て替え後の住宅が長期優良住宅・ZEH水準住宅で、かつ要件を満たす古い建物の除却を伴う場合、補助額が加算される。ただし、補助加算の対象となるには、建築主かつ賃貸オーナーである受託者が自ら発注した解体工事で、かつ「11月22日以降に開始」し、「交付申請の完了報告までに工事が完了していること」が条件だ。また、解体された古家と新築される賃貸住宅が同じ場所になければならない。これに加えて、複数棟の除却を行う際の加算については、事務局への個別相談が求められる。
事業者が一括借り上げして第三者に転貸するサブリースによる運用を予定する場合も補助対象だ。ただし、子育て世帯や若者夫婦世帯に限定した、少なくとも3カ月の入居募集の実施や、補助金を勘案した合理的な家賃設定など、特定の要件を満たすことが求められる。これらの条件については、建築主とサブリース事業者間で契約書や覚書等により取り決めを行い、合意が形成されていなければならない。契約書や覚書は予約を含む交付申請や事前相談時に提出が必要だ。交付申請に関する詳細は、更新された「交付申請の手引き【賃貸住宅の新築】」に記載されているので、申請者は定期的な確認が推奨される。
申請を検討する場合は、交付申請の手引き(PDF、102~103ページ)から確認可能。
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