日本木造耐火建築協会はこのほど、木質耐火部材の要求性能を確実に担保する製作方法をまとめた「木質耐火部材製作実施マニュアル」を作成した。
同マニュアルは、木質耐火部材の製作のうち、オンサイト(現場)製作時における要点を解説したもの。施工者(実務者)と現場管理者を対象に、製造・施工プロセスごとの資材の取り扱い、施工手順、検査方法など、各工程での注意点や品質確保のポイントを、写真を用いて解説している。

マニュアルの表紙と内容の一部
2023年に改正された「建築基準法施行令」による耐火性能基準の合理化などにより、木造で建築可能な範囲が大規模・中高層建築物で広がっている。その一方で、要求される耐火性能が施工不良によって担保されない事態を防ぐため、確実な施工品質の管理と現場での実践を想定した手引書が求められていた。
このマニュアルを活用することで、次のような効果が期待できる。
①品質の安定化・向上:現場における品質管理基準の統一、施工品質のばらつきの低減
②現場の効率化:明確な基準に基づき、現場での判断や確認にかかる時間を短縮
③情報連携の円滑化:関係者間で技術仕様や品質基準に関する情報を共有
④木造建築普及への貢献:選択可能な技術の拡大による木造建築の普及促進
なお、同協会が運用する耐火構造の大臣認定を用いて木造耐火建築物の設計施工を行う場合は、同協会への入会と「マニュアル講習会」の受講が必須となる。同マニュアルは、修了後に「マニュアル講習会修了者専用ページ」からダウンロードできる。
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