「国内市場でわずかなシェアしか持たない無垢建材には伸びしろしかない」――そう言い切るのは、世界各地から選び抜いた無垢建材や自然系塗料を提供するプレイリーホームズ(名古屋市)社長の林正喜さんだ。エンドユーザーに無垢材の魅力を広く発信していくことを自社の使命として掲げる。その使命を果たすことで、無垢材をメインとする木の家づくりを手がける地域工務店を強力にバックアップしていく考えだ。林さんに現状や今後の戦略などについて聞いた。
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林 正喜 さん プレイリーホームズ[愛知県名古屋市] 代表取締役社長 |
1974年生まれ、51歳。愛知県出身。芝浦工業大学工学部建築工学科(現建築学部)卒。社員数が10人に満たない創業6年目の1996年に新卒で入社。2021年に代表取締役社長就任。社長であると同時に、創業時をよく知る数少ないメンバーでもある。創業以来続く社員一人ひとりが経営者感覚で取り組む「オーナーシップマインド」を尊重し、オープンかつフェアで挑戦しやすい企業風土を体現し続ける。 |
――まずは最新のトピックについて、7月に日本総代理店となっているドイツの自然健康塗料メーカー・リボス社と、あらためて戦略的パートナーシップを締結した目的を聞かせてください。
リボスの自然塗料は、人体に有害な化学物質を一切使用せず、成分も100%開示し、ヨーロッパのみならず世界各国で高い評価と信頼を得ています。日本市場では当社を通じて2024年に、優れた機能性を兼ね備える屋内用「クノス」と屋外用「アリス」が新たにリリースされました。これを起爆剤として、日本の自然塗料市場におけるリボスブランドのさらなる普及とプレゼンス向上を図ります。
――具体的にはどのように事業展開していくのでしょうか。
たとえば当社では、無垢の床材を1カ月に2万坪ほど供給していますが、製造過程において、無垢床材の仕上げ塗装の“リボス化”を拡大しています。この製品が普及すれば、工務店さんたちは床以外の無垢の内装材も同じリボスの塗料で仕上げたいと考え、必然的に住まい手もメンテナンスでリボスを選択するはずです。無垢材にベストマッチする最良の自然塗料とのシナジーで、無垢材の普及拡大を狙います。
――床材などの塗装を現場ではなく、製造時に工場で行うのはなぜですか。
自然な素材の品質の安定化と向上を図ると同時に、現場作業の効率化に貢献したいからです。職人不足が深刻化している建築の現場で、現場工程をいかに減らすかは今後ますます重要なファクターになってきます。リボスであらかじめ塗装した建材を提供すれば、工期短縮にもつながり、工務店さんにとって大きな助けとなるはずです。
――住宅市場の現状をどう見ていますか。
住宅着工戸数の減少は顕著です。ただ、当社の売り上げは落ちていません。理由は、私たちが扱う無垢材にあります。新建材が主流の国内市場において、無垢材のシェアはまだわずか。しかし、環境意識や本物志向の高まりを追い風に、いまようやく普及期を迎えたと実感しています。縮小する住宅市場の中でも、無垢建材の需要は伸び続けると確信しています。
――無垢材の普及にはどのような課題がありますか。
住宅業界の人間にとって無垢材は当たり前の存在ですが、一般のユーザーにはまだ浸透していません。多くの人にとって家づくりの際、無垢材は選択肢にすら入っていないのが現状です。仮に知っていても・・・
この記事は新建ハウジング9月30日号12面(2025年9月30日発行)に掲載しています。
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