建設物価調査会が9月2日公表した、2025年8月分の「建設物価建築費指数」(※)の動向は、建設総合平均が142.8で前月比0.1%(0.2ポイント)の増加となり、9カ月連続の上昇となった。前年同月比では2.7%(3.7ポイント)の上昇となっている。
(※速報値、2015年の平均を100として算出)
このうち建築部門は141.9で、前月比0.1%(0.2ポイント)の上昇。前年同月比でも2.1%(3.0ポイント)上昇した。建築補修は139.6で前月から横ばい、前年同月比では3.1%(4.3ポイント)上昇。建築部門は9カ月連続で上伸している。

建設物価建築費指数の推移
品目別では、内装用ボード類など建設用木製品が上昇。大手メーカーで製造コスト増を反映した価格が浸透し、指数を押し上げた。また全国的に燃料油の価格上昇、一般機械のポンプ類の値上がりも見られる。東京都では、2020年比で「鉄スクラップ」(3万2000円/t)、「600Vビニル絶縁電線」(42.5円/m)、「配管用炭素鋼鋼管(ガス管)」(7340円/本)などで価格が上昇している。
一方、需要減少により「異形棒鋼」「H形鋼」など鉄鋼が続落。東京都では、「再生砕石」(1150円/t)の価格が下落している。今後の見通しでは、「ストレートアスファルト」で上昇、「異形棒鋼」「H形鋼」「中厚板」「鉄スクラップ」「配管用炭素鋼鋼管(ガス管)」で下落が見込まれる。

主な品目の価格推移(一部抜粋)
各地で生コン、セメントなど上昇
都市別では、「那覇」(141.9)で生コンクリートの価格が上昇し、前月から1.0%上昇。「仙台」(137.9)では原材料費や輸送費など製造コストの増加を要因にコンクリート製品が値上がりし、0.2%上昇した。「広島」(140.8)、「福岡」(143.5)ではセメントの値上がりが指数動向を押し上げた。

都市別の指数
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