LIXIL(東京都品川区)は、アルミ樹脂複合窓「TW」の複層ガラスとトリプルガラスについて、樹脂スペーサーを使用したユニットから、ガラスと封着剤に分離しやすいAGC社の「サーモクライン」へと7月1日から変更する。
これまで複層ガラスやトリプルガラスの封着部は、アルミや樹脂製のスペーサーと乾燥剤、封着剤による複合構造だったため、リサイクル原料への利用は限定されていた。
今回変更を決めた「サーモクライン」は、AGCが開発した新しい合成素材を封着部に使用した複層・トリプルガラスユニット。スペーサー・乾燥剤・封着剤を乾燥剤入り封着剤に一体化させたシンプルな構造により、ガラスと封着剤を分離してそれぞれの素材をリサイクルすることができる。
LIXILは、環境ビジョン2050「CO₂ゼロと循環型の暮らし」を掲げ、「資源の循環利用の促進」に取り組んでいる。
2019年からは「EW」の複層ガラス・トリプルガラスにサーモクラインを使用し始め、現在は樹脂窓「EW」で標準採用。今回、「TW」の全品種(格子入り、防火、極小寸法などは除く[樹脂スペーサー構造にて対応])を対象にサーモクラインへの変更を行うことで、さらなる再資源化を進める。
サーモクライン採用の「TW」は、内部結露・ガスリークに強く、従来の5倍の耐久性を確保。
さらに、AGCグラスプロダクツと「TW」のための新機構「グレチャン」(グレイジングチャンネル:窓ガラスをサッシに固定する際にガラスの周囲に巻いて固定するゴム状の部品)を共同開発した。ノイズの少ないフラット形状で、スペーサー部と一体感のある仕上がりを実現。グレチャンのみの交換にも対応する。
税込の参考価格33万4400円(単体引違い窓フラットタイプ、W1690×H2030、Low-E複層ガラスアルゴンガス入り、外観ブラック・内観ブラック、網戸別)。
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