日本の職人を全力でサポートする
HiKOKI BUILDER’S SPIRIT PROJECT
電動・エア工具を販売する工機ホールディングスジャパンは、2024 年に「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT PROJECT(ハイコーキ ビルダーズ・スピリット プロジェクト)」を始動。暮らしとものづくりの根幹を支えている日本の職人にスポットライトを当てることを目的とした取り組みだ。2025年3月には、第1回のアワードを開催し、「職務に対する最も高い志」を持った職人を表彰した。同社 マーケティング統括本部 本部長の高橋あみこさんと、アワード受賞者の河合時椰さんに、この取り組みの意義やものづくりの現場の実情、今後のビジョンなどについて話を聞いた。

マーケティング統括本部 本部長の高橋あみこさん(写真左)と、シャッター取り付け工の河合時椰さん(写真右)
「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT PROJECT」は、電動工具ブランド「HiKOKI(ハイコーキ)」をはじめとする電動・空気工具のメーカー、工機ホールディングスジャパンが現在、力を入れて取り組んでいるプロジェクトだ。
プロジェクト活動の1つに「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT AWARD」があり、職人の方々を表彰するイベントとなる。
職人の高い志を表彰
目的やコンセプトについてハイコーキの高橋さんは次のように説明する。「HiKOKIは70余年の歴史がある日本発祥の電動工具ブランドです。日本から欧米、アジアにかけてものづくりに携わる職人の方々を支えることを使命としてきました。日頃から私たちの社会の基盤をつくり、維持してくださっているみなさんの志にスポットライトを当て、表舞台に立っていただきたい。そんな思いでこのイベントを企画しました」(ハイコーキの高橋さん)。
2024年11月27日(水)〜2024年12月27日(金)の募集期間中に全国から数多くのエントリーが寄せられた。その中から仕事にかける思いを綴ったエッセイ、動画などの審査を経て、総合グランプリ、「未来を切り拓き、ありたい姿に挑戦」をテーマにした「フロンティア賞」、「魅力、やりがいを感じたエピソード」をテーマにした「スピリット賞」が選出された。
「職人はかっこいい」
「スピリット賞」を受賞したのは、群馬県高崎市のシャッター工、河合時椰さん。24歳から入職し、気鋭の若手として活躍中だ。質の高い仕事を目指して常に工具を大事に扱い、よりよい施工のために技術を追求している点が高い評価を受けた。
エントリーの動機について、河合さんは自身の育ってきた環境を挙げる。「祖父と父がエクステリア資材を施工する職人で、自分の仕事に責任と誇りをもって取り組んでいる姿を見ながら育ちました。私自身も父の会社でともに仕事をするようになって、尊敬の念がさらに深まりました。”職人はかっこいい”という思いは常日頃から感じているので、今回のHiKOKI BUILDER’S SPIRIT AWARDを知って、すぐに応募しました」(河合さん)。朝礼前の30分で応募のテキストを一気に書き上げた河合さん。「文章を書くのは苦手」と話すが、普段から胸の内に抱いてきた強い思いが評価につながった。

表彰式でスピリット賞を受賞した河合さん
命を守る防火シャッター
河合さんは父、兄とともにエクステリアで経験を積んだのち、取引先の文化シヤッター(株)の要請を受けてシャッター工に。「やりがいを感じる仕事です。特に防火シャッターは火災時に作動して建物にいる人たちの命を守るもの。万一の事態にきちんと動くように、設置時にはひとつのミスも許されません。限られた工期の中で効率よく、精度の高い作業が求められます。責任が重大な分、取り付けが無事に完了した時の達成感も大きい」(河合さん)。
心身ともにシビアな仕事のモチベーションはどこにあるのか。「電動工具が好きなんですよね。職人一家で子どもの頃から身近にあったからかな(笑)。今日も工具を触れると思うと、うれしい。朝、現場に向かうトラックの中からニコニコしているから、妻に呆れられています」と河合さん。
電動工具は「変身ベルト」
シャッター工の仕事は、金属の溶接、切断、部材の留め付け、研磨など多種多様な作業を伴う。それに応じて電動工具も自分の手に合うものをそろえ、大切に扱っているという。
「人間の手作業ではできないことも、電動工具のおかげできちんと仕上げることができる。本当に感謝しています」。だから工具の手入れは欠かさない。一日でも長く使えるように丁寧に扱う。
「正直しんどい現場もあります。でも工具を手にすると不思議と力が湧いてくる。未熟な私でも、一人前の職人になれるような気がする。私にとって電動工具は特撮ヒーローの”変身ベルト”のようなものなんです」。

電動工具の扱いはさすがに手慣れたもの。河合さんの工具への思いは深い
志をともにする仲間を増やしたい
真っ直ぐな眼差しで自分の仕事への思いを語る河合さんは現在29歳。現場では若手の部類に入る。「先輩はベテランぞろい。頼もしい半面、私と同世代の職人さんの層が薄いというのは気になりますね」。
厳しいけれどもやりがいは十分にある。そんな職人の姿を知ってもらって、仲間をもっと増やしていきたい。河合さんの思いは言葉の端々から伝わってくる。
「河合さんのような熱い志を持つ職人さんに出会えて、私たちもメーカーとしておおいに勇気づけられました。このイベントを開催してよかったと手ごたえを感じています」。高橋本部長も大きくうなずく。「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT AWARD」は、今年度も開催予定だ。次回に向けてエントリー募集などの情報発信をこの夏にもはじめていくという。ものづくりに取り組む職人たちの情熱が、大きな波になっていきそうだ。

現場の高齢化を懸念する河合さん。「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT AWARD」を通じて、同じ志を持つ仲間が増えることを願っている
(sponsored by 工機ホールディングスジャパン株式会社)
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