建て主の要望で日曜日に設定した上棟の日。一同は気合を入れて施工に取り組んでいた。その矢先、周囲に響き渡るパトカーのサイレン。何事かと驚く工務店の社長・Bさん。なんと近隣から「騒がしい」と通報があったのだという。以降はしずしずと作業を進め、現場はすっかり意気消沈…。【住宅ライター:渡辺圭彦】
その現場がある敷地は、周囲に田んぼが広がる田園地帯のど真ん中。工事の騒音でクレームがくるとは考えにくい立地だった。「天気もよくてみんな気持ちよく仕事をしていました。気持ちが高揚していた分、いつもよりは声が出ていたかなとは思いますけど、まさか通報されるとは…」。Bさんは3年経った今でも驚きを隠せない。
想定していたより遠くの人から通報が
もちろん事前に周囲には上棟を告知するためのあいさつに回った。「みなさん、とても好意的に受け止めてくださっていたので、私はまったく心配していませんでした」とBさん。
あとから聞いた話では、通報したのはどうやら同じ町内の人らしい。「ちょっと離れていたので、そこまではあいさつに行っていませんでした。のどかな環境の地域だったので、私たちが想定したよりも遠くまで音が響いていたのかもしれません」(Bさん)。
ただ、それにしても…である。「大工や職人たちは声を出してはいましたが、もちろん仕事の範囲内。決してふざけたりしていたわけではありません。ただ、昨今は幼稚園で遊ぶ子どもらにも“うるさい”とクレームを入れてしまう時代ですからねえ…。私たちももう少し気を使うべきだったのかも…」(Bさん)。
「私らの仕事がそんなに迷惑なのかとショック」
駆け付けた警察官もBさんから事情を聞くと、「業務の範囲のことで問題なし」とすぐに引き上げていった。しかし・・・
この記事は新建ハウジング5月20日号9面(2025年5月20日発行)に掲載しています。
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