不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULL(東京都千代田区)は、同社の不動産売却査定サービスの依頼理由を調査し、このほど結果を発表した。それによると、2025年において「金銭的理由」での売却査定依頼が増加傾向にあり、住宅ローン金利の上昇がこの動きをさらに加速させる可能性があるという。
調査は2019年から2025年3月までの期間、LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービスに寄せられた依頼を対象に実施。その結果、「相続」「所有者が高齢」といった高齢化に起因する理由に加え、「金銭的理由」での売却依頼が増加していることが明らかとなった。特に「金銭的理由」は、2019年の8.3%から2025年には9.6%へと増加し、依頼理由の中で4位となっている。
同社のチーフアナリスト 中山登志朗さんは、「住宅価格の高騰や住宅ローン金利の上昇が、家計に影響を及ぼし、売却を検討する要因となっている」と分析。また、同社が実施した住宅ローンに関する意識調査では、世帯年収の4倍を超えるローンを組んだ割合が63.2%に達し、返済負担の重さが家計を圧迫している実態が浮かび上がった。
このような背景から、中山さんは、住宅ローンの返済計画においては、余裕を持った設計や繰り上げ返済の活用が求められるとしたうえで、住宅ローン金利の上昇が続く場合、「金銭的理由」での売却査定依頼がさらに増加する可能性を指摘。「今後、住宅ローンを組んで購入することを予定しているユーザーは、当初からボーナス併用返済をしないとか、余剰資金ができた際に積極的に繰り上げ返済に充てるなどの“金利上昇対策”をぜひ検討してほしい」としている。
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