経産省・国民生活センターは1月15日、分電盤の点検商法に関する相談が前年比で25倍に急増しているとして注意を呼び掛けている。実在する電話会社などをかたり、電話や訪問により分電盤やブレーカーの点検を勧誘。点検後に「すぐに交換しなければ火事になる」などと不安をあおり、高額な設備契約を持ち掛けるのが特徴だ。
同センターに寄せられた分電盤の点検商法に関する相談件数は、2022年度は14件、23年度は39件だったが、2024年度は11月30日までで461件に急増。契約当事者の約8割が70歳以上だった。

分電盤点検商法の相談件数の推移
(国民生活センター公式サイトより引用)
ある90歳代の男性は、点検後に「分電盤が古いので漏電する可能性がある」と言われ、約23万円で交換工事を契約。工事予定の数日前に念のため契約している電力会社に確認したところ、「この業者は当社とは関係ない」と言われたという。
同センターでは消費者に向けて、①電話などで点検を持ち掛ける業者には安易に点検させない、②その場では契約せず十分に比較・検討する、③クーリング・オフの条件について確認する、④4年に1回の無料法定点検について確認する―ことなどを勧めている。

【啓発チラシ】国民生活センター
「分電盤の点検に行きます」の電話から始まる勧誘に注意
消費者に正確な情報提供を
一方、住宅事業者や電力事業者が顧客から分電盤点検に関する問い合わせを受けた場合、正確な情報提供や丁寧な顧客対応が重要となる。
例えば、家庭の分電盤の点検は電力会社が法令に基づき4年に1回行われ、点検日時は事前に書面で案内していること、悪質な業者が行う点検と電力会社が行う法定点検は異なるものであることを説明。点検や修理を依頼された場合には契約内容を詳しく説明し、顧客が理解した上で契約を結ぶことが求められる。
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