北洲、中古の車載バッテリー再利用した「太陽光発電蓄電システム」開発

北洲（宮城県富谷市）は、ハイブリッド自動車（HEV）に搭載されていた中古の車載リチウムイオン電池を利用した太陽光発電蓄電システム「E-Pillar（イーピラー）」を今年3月に開発した。

東北大学の田路和幸名誉教授が考案したシステムについて、東北工業大学の下位法弘教授のアドバイスを受けて、太陽電池と中古のHEV駆動用バッテリーを組み合わせたシステムを開発。蓄電池と門柱を一体化し、建物や外構に馴染むデザインとした。

主に次の4つの使い方を想定しているという。
1：太陽光で発電した電力をE-Pillarを介して電気自動車（EV）に給電
2：EVに蓄えられた電力をE-Pillarを介して家電に放電して利用
3：平常時には太陽光で発電した電力をE-Pillarに蓄電することも可能
4：非常時には太陽光で発電した電力をE-Pillarを介して住宅内に安定供給

このシステムの実用化により、住宅が中古の車載リチウムイオン電池のリユースの受け皿として期待されるだけなく、安価なリユースバッテリーを使った自家発電・自家消費のしくみを構築することでCO2排出量の削減に貢献できるとする。今後は事業化に向けた準備を進め、提携先企業を探す。
令和4年度宮城県新エネルギー等環境関連設備開発支援事業費補助金に採択された。

◼︎システム開発者　東北大学名誉教授・田路和幸氏のコメント
開発では、本田技研工業株式会社のハイブリッド車搭載の蓄電池の特徴を生かした使い方を模索し、高性能、高効率、汎用性、コンパクト化、かつこれまでにない低価格の実現を目指しました。この実現には直流給電技術が盛り込まれています。車に搭載された蓄電池の能力を固定用蓄電池でも再現しています。また、停電時の必要最低限の蓄電容量を確保し、余剰電力はEVやPHVに蓄電、複数のEVや交流発電機等の電力を合わせて大きい電力として家屋に給電する機能も持たせました。