福島県産砕石・砂利の出荷基準案、原則１００ベクレル／ｋｇに

 
　経済産業省は２月２８日、福島県浜通りと中通りにある採石場・砂利採取場を対象とした砕石や砂利の出荷基準を暫定的に原則１００ベクレル／ｋｇ以下とする案を取りまとめた。同日開かれた専門検討会で決めた。一般からの意見聴取を経て、３月中の基準策定を目指す。

　基準案では、対象製品を砕石と砂利（真砂土と砂を含む）とし、地域は福島県内の浜通りと中通りの地域にある採石場と砂利採取場に限定した。暫定基準値として、複数個所の代表製品をサンプル測定した放射性セシウム平均濃度（Ｃｓ１３４とＣｓ１３７の合計値）が１００ベクレル／ｋｇ以下ならば出荷可能とした。

　ただし、復興に向けた措置として、当面の間、対象地域での屋外の公共工事に使用される製品については、サンプル測定で、表面線量率が１時間あたり０．２３マイクロシーベルト以下であれば出荷可能とする緩和策を設ける。

　サンプル測定は１カ月おきなど、定期的に行い、継続して基準値を下回る場合は、頻度を下げることができるようにする。具体的な測定方法などには、現段階では示さず、別途細則で定めるとした。

　同日の会合では、砕石・砂利業界側が基準値を１０００ベクレル／ｋｇとする意見を出したが、経済産業省側は、生活者が不安を持っては基準の意味がないとし、サンプル調査であることなどから厳しめの１００ベクレル／ｋｇを堅持した。