国土交通省は3月16日、「建設用3Dプリンタによる造形物の出来形及び品質の確認に関する参考資料(案)」(PDF)を公表した。同資料は、型枠が不要で省人化・工期短縮が期待できる「セメント系3Dプリンタ造形物」の出来形および品質を確認するための基本的な考え方を整理したもの。
3Dプリンタによる造形物は、材料や造形方法に関する標準が存在しておらず、各メーカー固有の仕様で適合材料や配合が異なることから、要求性能を満たす条件を一律に規定するのは困難である。そこで同省では同技術の普及に向け、3Dプリンタ造形物の特性を考慮した上での品質管理・検査方法の確立を進めている。
なお、今回公表した資料は土木学会が2025年7月に発刊した「建設用3Dプリント埋設型枠を用いたコンクリート構造物の技術指針(案)」を補完するものとして位置付けられている。
出来形の確認方法など掲載
まず、受注者から3Dプリンタを使用したいとの申出があった場合の対応としては、採用する妥当性があるのかを十分に検討する必要がある。また、3Dプリンタの材料では単位体積あたりの骨材量が少なくなるため、重力式擁壁などに適用する場合には安定計算を再度実施しなければならない。
出来形の確認では、層状に積み重ねることにより表面に積層模様が生じることや、型枠に打ち込んで製造する場合と同じ材料を用いた場合に、圧縮強度に差が生じることなどを留意すべきだとした。さらに一定の品質を担保するため、積層プロセス(プリント速度、積層時間間隔、材料温度など)の確認が重要となる。
確認方法については、従来の場所打ちコンクリートの基準に準拠した上で、積層模様の凹凸が著しく不均一になっていないかを目視で確認する。また、造形物の下部などに過度の変形が生じていないかを目視や計測で確認することを求めている。

造形物の品質管理の確認方法については、材料メーカーの品質証明書または試験成績書、安全データシート(SDS)により、原材料の安全性を確認。原材料をミキサーで練り混ぜた「プリント材料」の圧縮強度試験の実施や、積層プロセスで得られる各種データが許容範囲内に収まっているかを確認することも必要となる。

巻末資料の掲載事例(※一部抜粋)
(左上から)曲線ベンチ、防雪柵基礎、集水ます、重力式擁壁
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