住宅リフォーム・紛争処理支援センターはこのほど、公式サイト「住まいるダイヤル」の「リフォーム見積チェック事例集」に、新規事例を3件追加した。
事例集は、消費者から寄せられた相談の中から、消費者が不安に感じるポイントをまとめたもので、リフォーム工事におけるトラブルを未然に防ぐことを目的として公開している。なお、掲載された事例については複数の相談内容をもとに、典型的な事例として再構成した内容となっている。

見積もりのチェックポイント例
①「中古マンションのフルリフォーム工事の相見積もりを取ったが比較が難しいケース」では、中古で購入した築30年のマンション専有部のフルリフォームで、リフォーム業者2社に見積もりを依頼した例を掲載。見積もりの項目がそれぞれ異なっていることに着目し、両社の工事範囲、条件などを同じにして比較検討することを勧めている。
さらに、工事内容・範囲を確認するとともに工程表を作成し、作業に関わる人数や日数などを明確にすること、高効率ガス給湯器に交換する場合は、設置が可能かどうか管理組合や事業者に確認し、給排水管工事後の配管系統図の作成を求めるようアドバイスしている。
②「2世帯住宅への増築リフォーム工事で見積もり金額の妥当性が疑われるケース」では、築20年の木造2階建て住宅のリフォーム工事で、費用が高額ではないかと疑われる例を紹介。ここでは、大工の施工費が坪単価で記載されている点、既存屋根解体・処分費・金物の項目が2カ所ある(二重計上の疑いがある)点などを指摘した。
③「水回りのリフォーム工事が高齢者に適した工事になっているか不安なケース」では、浴室への手すりの設置をリフォーム業者に相談したところ、キッチン・トイレの交換も勧められた例を掲載。浴室の改修工事費が一式となっている点、高齢者対応にもかかわらずキッチンの熱源機器が「IHコンロ」ではなく「ガスコンロ」となっている点、見積もり有効期間と会社名が表紙と内訳書で異なっていることなどを確認すべきだとした。さらに高額であることから補助金などの活用を検討するよう勧めている。
事例集では他に、(1)事業者によって金額が大きく異なるケース、(2)対応に注意が必要な見積もり、(3)価値(効用)の判断が難しいケース、(4)消費者の不信を招く事業者の行動、(5)トラブル発生のリスクがある見積もり、(6)技術的な問題のある事例―など、29件の事例を紹介している。
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