デコス(山口県下関市)は10月、新聞紙を主原料としたセルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」について、国内の建築用断熱材として初めて「カーボンネガティブ断熱材」であることを発表した。
カーボンネガティブとは、CO2などの温室効果ガスの排出量よりも吸収量のほうが多い状態を指す。
その際にカギになるのが「炭素の固定化」で、デコスファイバーの炭素固定化量は1袋あたり16.9kg。製造時のCO2排出量が7.1kgのため、炭素固定化量が排出量を大きく上回り、1袋あたり9.8kgのカーボンネガティブを達成できることがわかった。

また、新聞紙をリサイクルするデコスファイバーは、電気エネルギーのみで製造され、熱(溶解・乾燥)、水(洗浄・冷却)を使用しないため、他の断熱材に比べて製造時のエネルギー消費量が圧倒的に少ないこともカーボンネガティブに寄与しているという。製造時のエネルギー消費量は、一般的な住宅用断熱材に使われるグラスウールの1/50〜1/7とする。
このほか、製造段階で排出される廃棄物をリサイクル利用し、リサイクルが困難な廃棄物は石炭の代替となる固形燃料「RPF」としてセメント工場で再利用。
さらに、埼玉県と山口県にある工場から全国への製品の発送は、モーダルシフトによりJR貨物を利用している。

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