計18棟のパッシブハウス認定実績を持つタナカホーム(宮崎県都城市)はこのほど、パッシブハウス認定も取得できる規格住宅を開発した。プランをひとつに限定し、仕上げの選択肢も極限まで減らすことで設計・施工を効率化。注文住宅と同等のスペックで税込2000万円台前半の価格を実現。社長の田中誉宗さんはこの規格住宅を、建築費が上昇する中で「住宅供給者としての使命や責任を果たす」ためのものと位置付ける。【編集長 荒井隆大】

規格住宅のモデルハウス「祝吉モデルハウス」外観。木塀で囲まれているのはテラス。もちろん標準仕様に含まれる
今夏から同社のラインアップに加わった規格住宅は、約23坪のコンパクトな平屋。躯体性能は同社の標準仕様と同等で、EPS150㎜厚による独自の湿式外断熱工法・MeTAS(ミタス)と樹脂サッシ・トリプルガラス(YKK AP APW430または431)でUA値0.22/㎡K、断熱等級7を達成する。空調はLDKの奥に設置した2.2kWのエアコン1台のみ。換気には第一種熱交換のZehnder(ゼンダー)を採用した。構造も、許容応力度計算による耐震等級3を確保したうえで制振ダンパーも設置している。
プランは、中央にコアのようなかたちで収納を設け、その南側にLDK、北側には寝室や洋室(子ども室などを想定)を配置するというもの。方位によって反転することはあるが、間取りのバリエーションは存在しない。
仕上げも、顧客が選択可能なのは床と建具のみ。標準はウッドワンのピノアースで、アップグレード仕様としてWOシリーズへの変更が可能。壁や天井は全棟プラネットウォール仕上げとする。
想定するペルソナは子育て世帯のほかDINKS、単身者など。販売価格は標準仕様で2370万円、アップグレード仕様が2530万円(いずれも税込)。田中さん曰く「宮崎市内なら頑張れば建てられる。都城市内なら少しいいエリアに住むことができる」金額だ。規格住宅の構想自体は4年ほど前からあったが、建築費が高止まりしている状況下でのリリースとなり、田中さんは「今だからこそのメッセージ性を持つものになった」と話す。
選択の余地は注文住宅で
実空間の体験で判断促す
一般的な規格住宅は、複数のプランを用意したり、設備や仕上げに選択の余地を設けて顧客の要望に応えることが多い。田中さんはしかし・・・
この記事は新建ハウジング10月10日号2・3面(2025年10月10日発行)に掲載しています。
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