積水化学工業(大阪市)が1月30日発表した2025年3月期第3四半期決算(4~12月)は、売上高が前年同期比3.4%増の9553億4200万円、営業利益は同17.5%増の773億5900万円、経常利益は同18.2%増の860億9700万円、四半期純利益は同17.2%増の684億9500万円となり、いずれも過去最高となった。住宅事業は売上の前倒しやリフォーム事業の拡大などにより、売上高・営業利益とも計画を上回った。

連結業績の推移(決算説明資料より引用)
住宅カンパニーの売上高は前年同期比1.5%減の3856億円、営業利益は同19.7%増の232億円。第3四半期間は、リフォーム事業・不動産事業で売上高が伸長したが、前期の新築住宅受注棟数減少の影響を受け、トータルで減収となった。利益面は、高価格帯商品の受注拡大による棟単価の上昇や収益性強化により増益となっている。
事業別では、新築住宅事業で東京・中部・近畿など都市部を中心に緩やかに受注が回復。戸建ての受注棟数は1%減、金額は4%増となった。集合住宅は受注棟数が8%増、受注金額は22%増と伸長した。集客は、展示場への来店が前期比で0.6%減ったが、WEBなどでの資料請求が増えたことにより全体では5%増加した。
リフォーム事業は、営業人員の拡充や定期診断の充実化により大型改装の受注を獲得。断熱リフォームの受注も引き続き拡大している。クレアスト社(北海道)の全株式を取得するなど体制強化にも努めた。

新築・リフォーム受注高の推移(決算説明資料より抜粋)
通期予想、住宅は増収増益
通期業績は、売上高が1兆3077億円(前期比4.1%増)、営業利益は1070億円(同13.3%増)、経常利益は1060億円(同0.1%増)。純利益は800億円(同2.7%増)と、過去最高を更新する見込み。売上高は前回予想から10億円引き下げたが、営業利益は20億円、経常利益は35億円、純利益は20億円、それぞれ予想を引き上げた。住宅事業は売上高2700億円と予想、増収増益を見込む。
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