東京カンテイ(東京都品川区)は2月21日、1月の三大都市圏・主要都市における中古マンション70㎡あたりの価格を発表した。首都圏は、前月比0.2%減の4675万円と4カ月連続で下落した。東京都は6418万円(同0.4%増)と3カ月ぶりに上昇し、前年同月比もプラスに戻したが、事例シェア縮小の影響で首都圏全体の数値を下げた。神奈川県は3608万円(0.4%減)、埼玉県は2965万円(0.2%減)と、いずれも4カ月連続の下落。千葉県は2732万円(0.8%増)と連続上昇したが、依然前年同月の水準を下回っている。
都心6区は上昇率拡大
都市別では、東京23区は前月比0.6%増の7185万円と5カ月連続上昇。都心6区は1.3%増の1億1138万円と12カ月連続で上昇し、前年同月比も11.8%増と上昇率が拡大した。城南・城西エリア(0.1%増)、城北・城東エリア(0.6%増)ともに上昇し、周辺エリアも強含みとなったが、都心部から購入ニーズがシフトする動きは乏しい。各エリアの一般的な実需層の予算レンジを上抜けつつあるとみられ、上値を試す動きは限定的となっている。千葉市は2543万円(2.7%増)と比較的大幅に上昇し、昨年7月の最高値(2507万円)を更新した。一方、横浜市(0.2%減)は3カ月連続で下落、さいたま市(0.2%減)は築古化の影響もあり昨年8月以降緩やかな下落傾向で推移している。
近畿・中部は反転下落
近畿圏は前月比0.9%減の2846万円と反転下落。大阪エリアの事例シェア縮小の影響で、昨年11月の水準を下回った。大阪府は0.8%増の3049万円と9カ月ぶりに上昇したものの、前年同月の水準を下回る状況が続く。兵庫県は築古事例の増加で2.0%減の2482万円と下落に転じたが、11月の水準は上回っている。都市別では、大阪市が前月比1.2%増の3867万円と3カ月ぶりに上昇したが、前年同月の水準には戻っていない。市中心部では比較的価格水準が高い北区の事例増加の影響もあり、2.2%増の5335万円と6カ月ぶりに上昇した。神戸市(1.6%減)は事例シェアのエリアバイアスや築古事例の増加などで、前月の大幅上昇からマイナスに転じたが、11月の水準は上回った。
中部圏は前月比1.1%減の2232万円、愛知県は1.2%減の2372万円といずれも反転下落し、11月の水準を割り込んだ。また、前年同月比の下落率も拡大している。都市別では、名古屋市が前月比0.5%減の2751万円と2カ月ぶりに下落。前年同月比の下落率は、11月以降2%台で推移している。市中心部では0.4%増と小幅ながら連続上昇したが、前年同月の水準を下回る状況は継続している。
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