第４回　リビングは家族もゲストも楽しめる広場［インテリア編］　矢島武志

＜文：セキスイデザインワークス　矢島武志＞

　リビングは、住まいのメインステージ。間取りや広さも大事ですが、床や壁、収納、造作など、インテリアの仕上げも大切なポイントです。より美しく、より快適な暮らしのためのインテリアスタイルをさまざまな事例とともにご提案しましょう。

■壁へのデコレーションで上質なリビングを演出

　する効果的な方法のひとつに、壁へのデコレーションがあります。 同じ空間でも壁材や色を変えるだけで、ガラリと印象が変わります。特に表情豊かな石材やタイルなどを使用すると上質感がアップ（写真①）。壁へのデコレーションは、全体ではなく部分的な演出でも効果が得られます。また、リビングの壁にニッチや掘り込みの造作をすると、空間的に立体的な変化や奥行き間を演出でき、さらに壁の色を変えることで空間にメリハリをつけることができます（写真②）。

■生活シーンに合わせて変化する壁面収納

　リビングは生活シーンによって空間の使い方が変わります。たとえば「家族での団らんの時間にはテレビが必要だけど、来客時はスッキリ美しいインテリアでおもてなしをしたい」とか、「子どもがリビングで勉強するときは、集中できるようにテレビを隠してしまいたい」など…。そんなときに、便利なのが「変化する壁面収納」。扉をスライドさせて、見せたり隠したりできる収納です（写真③）。特に最近は、テレビの大型化によってインテリアイメージを損なう場合もあり、不要な時は見えないようにしておきたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような要望もはじめから計画しておけば、インテリア全体のイメージを統一することもできます。

■遊びごころが見え隠れする個性的なリビング空間る

　リビングは、家族にとって生活の中心的スペースであり、また、ゲストをもてなすパブリックなスペースでもあります。そして、住まいの中で一番広いスペースもリビングです。そういう意味で、リビングは家族もゲストもみんなが楽しめる広場のような場所です。空間的にも広い分、趣味や遊びごころを表現できます。お気に入りのお酒やグラスを飾れる、バーコーナーのあるリビング。趣味でコレクションした逸品をディスプレイできるギャラリーコーナーのあるリビングなど、思い思いに個性的な空間づくりを楽しむことができれば、楽しいリビングが完成することでしょう（写真④）。また、リビングの中で、照明器具や椅子、カーテンやクッションなど、ひとつだけでも、何かにこだわってみてもいいですね（写真⑤）。