住友理工(名古屋市)は12月4日、国土交通大臣認定で「壁倍率5.0倍」を取得した新製品「高耐力制震システム(仮称)」を開発したと発表した。2026年秋に一般販売を開始し、在来軸組工法住宅への導入を目指す。

新製品「高耐力制震システム(仮称)」
新製品には、同社が20年以上の研究開発で培った高性能な摩擦材料を活用。この摩擦材料は、気温が変わると性能が変わる温度依存性が低く、0℃から40℃の広範な温度範囲で安定した性能を発揮する。また、揺れの速さが変わると性能が変わる速度依存性も小さい。そのため、短時間で強い揺れが発生する直下型地震や、長時間にわたり揺れる海溝型地震の双方の地震にも対応できる。今回の新材料活用により業界トップクラスの壁倍率5.0倍を取得、制震機能も向上させた。
同社は制震技術の開発を長年進めており、自動車用品事業で培った高分子材料技術を応用した木造住宅用「TRCダンパー」を2009年から販売している。これまでに国内外7万棟以上の住宅に設置された実績を持ち、2024年1月に発生した令和6年能登半島地震の被災地域でも、同製品を採用した1035棟で全壊・半壊に該当する住宅は確認されなかった。

高性能摩擦材を使用した制震ダンパー
この度の高耐力制震システム(仮称)の開発は、南海トラフ地震の新たな被害想定によって防災対策の重要性が高まっていることを背景としたもの。また、ZEH普及に伴い建物の総重量が増していることから、制震システムに求められる耐力が高まっていることも要因の一つ。住友理工グループは、地震をはじめとする自然災害に対し、技術力をもって安全・安心の提供に貢献していく方針としている。
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