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新建ハウジングでは9月13~20日の8日間にわたり、初の海外視察ツアー「アアルト建築に触れるフィンランド8日間住宅視察」を開催した。20世紀を代表する建築家のひとり、アルヴァ・アアルトの作品に数多く触れ、設計への視座を高めていただくために企画し、全国の工務店経営者・実務者ら10人が参加。住宅や公共建築、教会などアアルト関連の施設を計16カ所巡った。
参加者からは「アアルトにとことん触れ、自分の設計に足りなかったものをつかめた」「写真でしか見たことがなかったアアルトの建築を体感することができ、とても感動したと同時に多くの学びと刺激を受けた」といった声があった。今回は美しい写真とともに参加者からいただいたコメントでツアーの様子を紹介する。
アアルト建築の本質を探る
アアルト自邸
自邸兼アトリエとして設計。妻のアイノ・アアルトも設計に携わり、食器棚や椅子などの家具を中心に手がけた
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アアルトの自邸は、柔らかい光と木の質感に包まれた空間で、家具までもが建築と一体となっていることに感動しました。住居とアトリエが庭を囲うように配置され、生活と創造が穏やかに交わるプランから、アアルトの思想を肌で感じることができました。(藤城建設 矢野玲奈さん[北海道])
アアルト自邸を訪れて、パイミオの設計から一歩踏み出し、木やツタが溶け込む“暮らしのスケール”に寄り添う建築に進化した、と私は体感しました。住まいと設計事務所を併設したことで、暮らしの実感がそのまま設計へと流れ込んでいたのだと感じました。コーナーウィンドウ脇のデスク、仕上げの素材や色、引手のディテールにまでアアルトらしさが漂い、その場に身を置くことで初めて空間の魅力が理解できると強く実感しました。 (創栄工務店 吉村志里さん[高知県])
夏の家(コエ・タロ)
アアルトの夏の別荘としてつくられた。コストを抑え、自然に溶け込むように設計。“実験住宅”とも呼ばれており、壁面に大小・異素材・異色のレンガを組み合わせた試験壁などさまざまな手法を模索した跡が見られる
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実験住宅と呼ばれる夏の家は、アアルトが建築の可能性を探求した実験場そのものでした。天井の高低差や、素材や形、色彩の組み合わせなど、実験の跡が随所に感じられ、アアルトの設計プロセスに触れることができました。併設のサウナ小屋では本場ならではのサウナを体感でき、サウナ建築に生かせる学びとなりました。石の上に流した丸太の架構など、日本との環境の違いを実感しつつも、その土地に根ざした建築のあり方を学ぶことができました。(館林林業 原和平さん[群馬県])
この記事は新建ハウジング11月20日号12面(2025年11月20日発行)に掲載しています。
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