新コスモス電機(大阪市)は、世界初という家庭用電池式水素警報器「HL-310」を開発した。
近年ヨーロッパでは、家庭用のコンロや暖房、電力貯蔵に水素を利用する動きがあるという。水素は空気より軽く、漏えいしてもすぐに拡散する傾向がある一方で、爆発範囲が4〜75%と広く、爆発や火災が発生しやすいため、家庭での使用には安全対策を徹底する必要がある。
そんななか、56年前に世界初の半導体式家庭用ガス警報器を開発し、約40年前からは産業分野向けに水素を選択的に検知するガスセンサの研究開発を行ってきた同社は、そうした技術・ノウハウを生かして今回、家庭用の電池式水素警報器を開発した。

独自のMEMS-CHセンサ

家庭用電池式水素警報器「HL-310」
独自に小型化・省電力化したガスセンサ「MEMS-CHセンサ」はこれまで主に家庭用の電池式ガス警報器に搭載され、日本国内をはじめ北米市場でも採用されているが、新しい家庭用電池式水素警報器には水素用の「MEMS-CHセンサ」を搭載した。電池駆動で約5年間、ノーメンテナンスで使用することができる。
また、今回の新しい家庭用電池式水素警報器は、イギリス・SGN社による、スコットランド・ファイフ行政区における100%グリーン水素を家庭に供給するネットワーク構築の実証プロジェクト「H100 Fife」に採用された。
プロジェクトは、地域住民300戸を対象にボイラーやコンロなどを提供し、100%グリーン水素を供給、家庭での水素利用の実用性と安全性を実証するもの。水素警報器を天井に設置して室内の水素漏れを監視する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。