高性能窓TWシリーズに新タイプ登場！空間と窓辺の新境地へ

LIXILは、性能と意匠の両立を目指す建築家やアーキテクトビルダーなどの間で人気が高まっている、高い断熱性・耐久性とデザイン性を兼ね備える高性能窓TWの新タイプとして「TW WOOD」と「TW コンセプト土間スライディング」の2製品をリリースする。両製品とも“住宅の同質化”が叫ばれる市場で、施主の暮らしの満足度を高めるための自社ならではの住まいや空間のあり方を模索するつくり手にとって“強い味方”となるアイテムだ。環境負荷を低減する地域に最適な窓『GREEN WINDOW』の普及に向けて、高性能窓の開発に力を注ぐ同社サッシ・ドア事業部の三上和大さん（商品企画室長）と中谷彰博さん（プロモーション企画グループ）に新たにリリースする2つの製品について聞いた。

「TW WOOD」は9月、「TW コンセプト土間スライディング」は6月リリース予定

株式会社LIXILサッシ・ドア事業部サッシSBUサッシ商品企画室室長／三上和大氏（左）、同サッシ・ドア商品戦略部プロモーション企画グループ／中谷彰博氏

天然木のぬくもりと洗練された
デザイン「TW WOOD」

――TW WOODの特長を教えてください。

三上　高性能窓TWをベースとして室内側に国産ヒノキの無垢材を使用した木アルミ複合構造の高性能窓です。高い断熱性能やアルミの強度によるスリムなフレームといったTWの特性はそのまま継承しながら、木目鮮やかな天然木の自然な風合いによる美しさや温もりあふれる木の手触りを感じられる、従来の木製窓とは違う、空間や窓辺の“新しい境地”を開くような革新的な製品だと自負しています。

――開発の経緯について聞かせてください。

三上　壁や天井など室内に無垢の木材を多用する、ナチュラルなテイストの空間が、住宅デザインのトレンドとして広がっています。そのような中で、窓のフレームに、より木の空間になじむ窓を求める声が増えています。ただ、一方で、既存の木製窓は、高額なことに加えてメンテナンスにかかる手間やコストもネックとなり、一気に採用のハードルが上がります。そこで、そうした現状の課題を解決し、高まるニーズに応えようと、性能・意匠に優れる窓として人気のTWをベースに国産ヒノキ材を組み合わせる事で、このTW WOODが生まれたのです。

――価格やメンテナンスについて説明を。

中谷　まず、価格ですが、木製窓といっても国産、輸入製品とさまざまなため一概には言えませんが、木製窓に対して50～60%程度に導入コストを抑えられると想定しています。メンテナンスについてですが、そもそも木材を使用しているのは室内側のみで、さらに天然の無垢材に「サーモウッド」という熱処理加工を施すことにより、耐朽性や寸法安定性を飛躍的に向上させているため、従来の木製窓に比べメンテナンス性に優れていると言えます。

――製品開発で、特にこだわったところは。

三上　人が木製窓に魅力を感じるメカニズムを感性工学に基づいて解明し、製品開発に反映しました。木製窓の魅力を高めるには、自然素材でありながら「品質に安心感があり、デザインが洗練されていること」と「空間に調和する一体感」が必要であることが明らかとなり、そこには①木目の濃さ、②あたたかみ、③触り心地が深く関係していることが分かりました。そこでTW WOODは、その3つのポイントを徹底的に追求し、製品に落とし込みました。住まい手にも、つくり手にも、ぜひそれを直に体感してほしいと思っています。

――つくり手に対してメッセージを。

中谷　TW WOODのラインアップは、引違いのみとなりますので、ぜひ、リビングの大開口などにシンボル的に採用していただければと思います。その表情や手触り、など天然木でしか味わえない質感が木の空間の魅力を引き立てるのと同時に、スリムなフレームと独自の「スレンダーマリオン構造」により、実は洗練されたスマートでモダンなデザインの空間・インテリアにも調和します。そうした“天然木によるスリムフレームの窓”という「これまでにない価値」が、設計者の発想力を刺激し、窓が切り取る景色も含めて、新しい空間や窓辺のあり方を提案するきっかけになってくれたらいいなと考えています。

“こだわり”をかなえる窓で暮らしをデザインする
「TW コンセプト土間スライディング」


TW WOOD	TW コンセプト土間スライディング

中谷　高性能窓TWの技術を活かし「“こだわり”をかなえる窓で暮らしをデザインする」をコンセプトとする窓の新シリーズがTW コンセプトで、土間スライディングはその第一弾としてリリースする窓です。今後も、お客様のこだわりをカタチにする窓をTW コンセプトのシリーズとして具体化していく方針です。

――第一弾として土間スライディングを開発した理由は。

三上　コロナ禍で、“おうち時間”を楽しむというライフスタイルが広がり、それに伴い住宅ではアウトドアリビングがトレンドとなり、テラスなどの土間空間を室内に取り込む形が一般化しました。その際、室内土間と外部を仕切る窓として、「土間引戸」と呼ばれる製品などが用いられるケースが多かったのですが、住宅に使うのには性能が低い、デザインが古い、などの課題がありました。その課題を解決しようと土間納まりの高性能窓を開発しました。

――製品の特長について教えてください。

三上　土間空間ならではの開放感を実現できるように、高さ2.7mの規格サイズを用意しました。また、外部からの出入りが多いということを想定し、下枠のレールを頑強なステンレス製にしています。土間や外部とフラットに納めるレールは、たまった砂埃などの掃除を簡単にできるように、端部を取り外せるようにしました。ベアリングの戸車により、軽い力で開閉しやすいのも特長です。

「この窓には独自の存在価値がある」
建築家　松尾和也氏（松尾設計室）

「樹脂アルミ窓で健康に暮らせる水準まで加湿しても結露しない窓はTWしかありません。TWの室内側の樹脂を「木」で代用したのが今回の製品になります。フレーム全てが木で出来ている従来の木製サッシより断熱性は多少落ちます。そのかわり圧倒的にスリムかつ木のように外部の再塗装が必要ありません。価格はTWに比べると高くなりますが、木製サッシよりは安く抑えられます。私が求めている性能を満たしながら、本物の質感、価格帯の製品はこれまでありませんでした。そういう意味で、この窓には独自の存在価値があると感じています。

環境負荷を低減する地域に最適な窓
『GREEN WINDOW』を普及