東京商工リサーチ(東京都千代田区)は1月20日、2024年の「後継者難」倒産の調査結果を発表した。後継者不在が要因の「後継者難」倒産(負債1000万円以上)は、前年比7.4%増の462件と5年連続で過去最多を更新した。
要因別では、「代表者の死亡」が257件(同29.1%増、構成比55.6%)と2022年(223件)を上回り、過去最多を更新した。
産業別では、資材高騰と職人不足が顕著な建設業が105件(前年比6.0%増)と過去最多を更新。次いで、サービス業他(100件)、卸売業(78件)と続き、労働集約型産業の人材不足・後継者不在が同時進行する状況が明らかとなった。
資本金別では、1000万円未満が277件(同10.3%増、構成比59.9%)と約6割を占めているが、1000万円以上が185件(同3.3%増)と2年連続で前年を上回り、事業規模を問わず「後継者難」倒産が広がっている。
コロナ禍が収束し、人件費や物価の上昇が企業収益を圧迫するなか、業績回復が遅れた企業で後継者不在が現実化している。円滑な事業承継には、社内的な準備に加え、金融機関や取引先などとの密接なコミュニケーションも必要となることから、同社は事前準備を速やかに進めることが廃業・倒産の回避に重要だと指摘している。
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