AQ Group(さいたま市)はこのほど、埼玉県上尾市の木造建築技術研究所内に「施工効率化センター」をオープンした。建築物流と現場施工の研究・標準化を行う施設で、資材の梱包レス、積載率向上、建築現場の施工効率化・省略化を目指す。
研究項目は「包装」「輸送」「倉庫保管」「荷役」「流通加工」「情報管理」「SDGs」に分かれ、再利用可能な梱包材の開発やトラック以外の輸送方法研究、簡易ボックスのレンタル利用による費用対効果の検証などを行う。梱包レスでは、資源ゴミ削減で環境に配慮するとともに、建築現場での梱包を剥がす・捨てる作業を省略できるため、生産性向上にもつながるという。

施工効率化センターの外観(左)と内観(右)
同社は建築資材の配送システム改革に取り組んでおり、建築現場における大工の手間を削減するため「在来木造ジャストイン配送システム」を開発。必要なときに・必要なものを・必要な状態で届け・不要になったものは即座に回収することで、ミスやロスをなくし、大工の作業効率と品質向上を実現する。
同社は、大空間や吹き抜けを実現する「AQダイナミック構法」と、普及型木造ビルを低コスト・短納期で建築する「木のみ構法」を実践しており、効率的な施工には、資材の配送・供給が重要となる。「施工効率化センター」では、両構法の技術を標準化させながら全国に展開。現場施工を効率化するとともに、大工ファーストの配送システムをさらに進化、拡大させるとしている。
施工効率化センターは、純木造軸組工法の平屋建て。住宅用一般流通材を使用した木造トラス「AQトラス」により、704㎡の無柱空間を確保。坪単価28.2万円を実現した。6月に本格稼働した「構造実験棟」とともに、安価で建築可能な普及型中大規模木造のプロトタイプとして展開する。
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