公建が経営破綻 競争激化で受注は1ケタ台に低迷

信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、公建（京都府舞鶴市）が3月1日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。負債は金融債務を中心に約2億円の見込みという。

同社は京都府北部や福井県嶺南地域を営業エリアとして、個人顧客を対象に木造住宅の新築工事やリフォーム工事などを手がけ、子育て世代をターゲット層とした独自工法による外断熱システムのローコスト住宅「ハッピーホーム」も展開していた。年間20棟程度の住宅を受注・完工し、2010年3月期には年売上高約3億9200万円を計上していた。

《関連記事》建設業倒産1600件超え　増加率がリーマンショック上回る

しかし、企画・施工管理業務を主体としていたため施工の外注費負担が重く、過年度の赤字決算から債務超過に陥っていた。また、営業エリア内でローコスト住宅を展開する工務店が増加したことで競合が激化し、近年の年間受注棟数は1ケタ台に減少していた。

このため、金融機関から借入金の返済猶予措置を受けるなどして経営改善に取り組んでいたものの、2020年3月期の年売上高は約6200万円に落ち込み、約7800万円の経常損失を計上するなど、厳しい経営状況が続いていた。その後も受注量は回復せず、資金繰りの悪化に歯止めがかからないため、事業の継続を断念した。

■こちらの記事も読まれています
1月の企業倒産、22カ月連続で増加　建設業は137件
23年企業倒産、8年ぶり高水準　物価高、人手不足が深刻化
建設業のコロナ破たん累計999件に　東京商工リサーチ調べ