神奈川、東京を中心に住宅リフォームを手掛けるリライブ(横浜市)と万生マーケティング(同)はこのほど、総合住宅展示場「ハウスクエア横浜」に、家中の空気質を身体に無害なものに変える「エシカルリフォーム」を施したモデルハウス「エイジングケアモデルハウス」をオープンした。
リライブが提唱するエシカルリフォームとは、「室内に浮遊する人体に無害な菌まで全て排除するのではなく、室内環境を菌と共存・共生できる空気質に変える」リフォーム。社長の竹本龍二さんは、「新建材も全てを除くのは現実的ではなく、エシカルリフォームによって共存できるようにすることが大切」と話す。
エシカルリフォームの最大の特徴は、植物性由来100%の天然素材として万生マーケティングが販売する「万生(ばんせい)」と呼ぶ機能性エキスを、クロスなどの壁や天井、床にコーティング剤として塗布したり、珪藻土、漆喰、外壁塗料や下地材などへの添加剤として混ぜて施工すること。こうすることで、空気中の有害物質を分解し無害化することができるという。
万生は、イタドリ・よもぎ・柿の葉(柿タンニン)の天然成分から独自製法で抽出したエキスで、還元(抗酸化)作用と有害化学物質50種類の低減効果に加えて還元作用による免疫力の維持向上効果も期待できるという。
モデルハウスの床材には、グリンガブナ(横浜市)が提供するUVフロアコーティングを施した。社長の飯冨卓彦さんによると、紫外線照射により素早く樹脂を完全硬化するため放出物が染み出てくることがないという。8月に、日本ORP測定検証協会から酸化還元検証を取得し、身体の酸化抑制効果が認められた。同協会では「フロアコーティングとしては日本初の認定」としている。

竹本社長は、リフォーム現場である日突然咳込み、息もするのがやっとの程で、受診すると「カビアレルギー」と診断された。今でも梅雨の時期になると咳が止まらないという。「一番安らげる場所であるはずの家が健康を害する場所であってはならない」と取り組んだのがエシカルリフォームだった(左からグリンガブナの飯冨社長、リライブの竹本社長、万生マーケティングの宮川社長)
コロナ禍の中で、万生マーケティング社長の宮川慎司さんは、モデルハウスを通じて、正しい衛生、健康確保の手法についても伝えていきたい考えだ。宮川さんはコロナ禍で一般化した除菌やアルコール消毒について「今、皆さんが必死で行っている除菌や消毒は、体に必要な良い菌や無害の菌まで殺してしまう」と指摘し、「室内の空気中には私たちに必要で非常に大切な菌である常在菌・酵母菌・乳酸菌などが浮遊しており、その大切な菌までも取り除いて無菌状態にすることは、免疫力や抵抗力を低下させてしまうことになりかねない」と話す。
6月のオープン以降、モデルハウスには一般客だけでなく、住宅メーカーなども多く見学に訪れているという。実際に30社以上で、万生を活用したテスト施工が決まっており、宮川さんは手ごたえを感じている。
竹本さんは自身がリフォーム現場でカビアレルギーを発症した経験から、「咳や喘息の症状は家の空気環境が原因かもしれないことに気づき、自分の大切な人を守ってほしい。もしかしたらそれが私たちのリフォームで改善できるかもしれない。そうなればそれはとても有意義なこと」と話す。

エイジングケアモデルハウス室内。「これまで仕方ないとされてきた新築臭・リフォーム臭・建材臭もなくなり、モデルルハウスを見学した人からは”まったく生活臭や嫌な臭いがしない” ”空気が軽い感じがする”と言った声が聞かれ、来場者全員が空気の違いを体感しています」(宮川さん)
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