パナソニックとJR東日本、駅ホーム用の照明制御システム開発　高輪ゲートウェイに納入　

パナソニックライフソリューションズ社（大阪府門真市）は3月4日、東日本旅客鉄道（東京都渋谷区）と共同で、PLC（電力線通信）による調光調色が可能な駅ホーム用の照明制御システムを開発したと発表した。3月14日に開業予定の高輪ゲートウェイ駅に合計594台を納入。PLCによる調光調色照明制御が駅のホームに本格採用されるのは国内初だという。

PLCとは、電気機器にエネルギーを供給する電力線に高周波の通信用信号を乗せて伝送することにより、電力線を通信線としても利用する技術。従来は、照明制御盤から各照明器具へ信号線を敷設する必要があったが、PLC照明制御システムでは信号線が不要になる。

動作は、駅全体の中央監視設備からの指示を受け、PLC制御部が調光調色信号をPLC信号に変換して電力線に重畳し伝送。その後、PLC通信部内蔵ホーム用照明器具が、受信したPLC信号を調光調色信号に再変換して指示した点灯状態（色温度、明るさ）を再現する。各照明器具にアドレスが割り当てられるため、信号線を付け替えなくても、照明器具個別に点灯状態を変更することができるという。

高輪ゲートウェイ駅では、日中は自然光との調和を図るため昼白色～白色に設定し、夕方からは電球色の温かみのある光にするなど（写真上）、時間帯や天候に応じてPLCによる調光調色制御を行うという。

両社は、さまざまな電気機器が使用されるうえ、構内の無線や列車発停車に伴う電磁波などの影響が想定される駅ホームへのPLC導入の可能性を探るため、実際の駅での電源環境（ノイズなど）を測定し、その環境の中でも正常に動作するよう最適な回路設計を実施。2017年7月～12月に千葉駅ホームに試作機を設置してフィールド試験を行い、実環境において運用可能な通信品質であることを確認したという。