外装建材メーカーのケイミュー(大阪府大阪市)は、このほど実施した「ARCHITECTURAL DESIGN AWARD 2025」の結果を発表した。美しさ、新しさ、景観への配慮を基準に、応募総数248点の中から各賞11点を選出。11月25日に麻布台ヒルズで表彰式が開催され、最優秀賞にはシーラカンスアンドアソシエイツ(東京都渋谷区)の「アグリカレッジ福島-アグリ探求棟・屋外作業準備棟・一般宿泊棟・学生寮-」が選ばれた。
本アワードは、日本の建築デザインの価値を未来へ繋ぐことを目的としたもの。対象はケイミュー商品を使用し、2024年8月から2025年7月までに完工した物件。審査員は建築家の藤本壮介さん、永山祐子さん、成瀬友梨さんが務めている。
最優秀賞に選ばれた「アグリカレッジ福島」は福島県農業総合センター農業短期大学校(福島県西白河郡)の施設。学生寮(5棟)、一般宿泊棟(1棟)、研修関連施設(アグリ探求棟・屋外作業準備棟)、農業機械格納庫など、計8棟の木造建築と鉄骨造の渡り廊下で構成される。
今回、同校の教育理念である「実践的な農業技術と優れた経営力を備えた地域リーダーの育成」を建築として表現したことが評価につながった。具体的には複数の棟を一体的に整備し、農村集落から町へと続くような景観を生み出した点、さらに学生や研修生、農業者、地域住民が自然に交流できる空間構成を審査員が賞賛。「大きな施設でありながら自然に溶け込んでいる」「最先端の農業を学ぶ場にふさわしい建築」といったコメントが寄せられ、空間の多様性と全体の調和が支持を受けた。

株式会社シーラカンスアンドアソシエイツの「アグリカレッジ福島-アグリ探求棟・屋外作業準備棟・一般宿泊棟・学生寮-」(福島県西白河郡)
優秀賞には、TOAStの「みどりの会所 アスロメディカルつくば営業所」、戸田建設の「TODA BUILDING」、高橋茂弥建築設計事務所と高池葉子建築設計事務所による「道の駅そらっと牧之原」、建築設計事務所SAI工房の「脊梁のいえ」、クルとcoil松村一輝建築設計事務所による「SEN.RETREAT TAKIJIRI」が選出された。特別賞は、空間建築-傳の「問屋町の社屋」とカイトアーキテクツ一級建築士事務所の「中道のアトリエ」の2つ。入選には、T-Square Design Associatesの「表表居」、エキップの「アドベンチャーバレー龍ケ崎 管理棟」、行田興産の「豊中の家」が選ばれた。
結果は同社ホームページの特設サイトにも掲載され、特別賞と入選作品の写真も公開されている。

表彰式では、ケイミュー・木村社長(中央)からシーラカンスアンドアソシエイツの赤松佳珠子さんと大村真也さんに最優秀賞のトロフィーと表彰状が贈られた
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