HYGGE THE HOME(ヒュッゲ・ザ・ホーム)のブランドで注文住宅事業を展開するヒロミヤ住建は昨年10月、群馬県吉岡町の総合展示場に出展した。
当初はモデルハウスを兼ねた事務所を新築する計画だったが、それまでの集客に限界を感じていたこともあり、思い切って路線を転換。社長の宮下宏巳さんは「現状を維持しようとするだけでは沈んでしまう。より上を目指すために決断した」と話す。【編集長 荒井隆大】

総展に建つHYGGE THE HOMEのモデルハウス。ダークな色合いのモデルが多い中、白い壁が目を引く
以前の主な集客チャネルは見学会と、高崎市内の公園内で運営しているカフェ・ヒュッゲタイムズが中心。ただ「見学会をやっても人の集まりは芳しくなかった。カフェも、カフェとしての認知度は高いが、受注には必ずしもつながらない」という状況だった。
また、営業代行サービスも利用しており、安定して受注は得られていたものの、コロナ禍以降は利用料が負担に。宮下さんは、低迷する集客状況を打破する策として、社屋をモデルハウスを兼ねた建物に建て替える計画を立てた。
旧社屋の解体を間近に控えた2024年1月、宮下さんは加盟している住宅ネットワークの視察で、総展とロードサイド店舗の集客状況を聞いた。ロードサイドの店舗は集客に苦戦していたのに対し、総展の集客数は上々。それぞれの集客状況を目の当たりにした宮下さんは「物価が上昇する中、金額ではもう他社と勝負できない。受注を獲得するには集客数を増やさなければだめだ」と実感。ネットワークからも総展への出展を勧められ、その場で決断したという。
宮下さんは翌日、社員に社屋の建て替えを中止し、総展に出展したい意向を伝えて承諾を得た。解体工事の着工は10日後というタイミングだったが、業者にはお詫びをしながら工事をキャンセルした。
一目見てわかる大手との違い
出展先に選んだのは、県央に位置する吉岡町内の「上毛新聞マイホームプラザ よしおかパーク」。区画に空きがあった、という理由もあるが「県内で最も来場が多い展示場」であることが決め手となった。場所も、偶然だがイベント広場の前を確保することができた。
当然だが、総展では工務店のモデルハウスが、知名度の高い大手ハウスメーカーやパワービルダーのモデルハウスと横並びになる。他社は暗い色の外壁が多かったため、外壁を白にし、軒裏やウッドデッキなど木材を目につくように使ってハウスメーカーとの違いを表現。室内は、回遊動線のプランに、大開口や吹き抜けを設けて明るく、高級感のある空間を演出した。
宮下さんは出展にあたって・・・
この記事は新建ハウジング3月10日号3面(2025年3月10日発行)に掲載しています。
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