プレハブ建築協会は、2024年度(2024年4月〜2025年3月)のプレハブ住宅完工戸数実績調査報告書をこのほど公表した。プレハブ住宅の完工戸数は10万3109戸で、2023年度比89.9%と2年連続減少。全新設住宅着工戸数に対するプレハブ住宅比率は12.6%で、前年度から1.7ポイント低下した。プレハブ住宅の完工戸数は減少傾向にあるが、ZEH・長期優良住宅化率は前年度比で上昇しており、住宅の質的向上が進んでいる様子がうかがえる。
構造別では、木質系が1万2315戸で前年比102.0%と前年度に続き増加した一方、鉄鋼系は8万747戸で87.3%、コンクリート系は1万47戸で98.6%といずれも前年度に続き減少した。建方別では、一戸建てが3万4095戸で前年比95.1%、共同建てが6万9014戸で87.5%とともに減少。このうち、一戸建ての構造別完工戸数をみると木質系が9201 戸、鉄鋼系が2万4669戸、コンクリート系が225戸で、一戸建てにおけるプレハブ住宅比率は9.7%だった(グラフ3)。
プレハブ住宅におけるZEHの完工戸数は5万2114戸で、全体の50.5%を占めている。建て方別・構造別で見ると、一戸建てでは2万8506戸でZEH化率は83.6%と、前年度の81.8%を上回った。構造別では木質系で81.9%、鉄鋼系で84.9%、コンクリート系では14.2%となっている(グラフ4)。
長期優良住宅に該当するプレハブ住宅の完工戸数は3万3539戸。プレハブ住宅全体の32.5%を占め、前年度比で5.5ポイント上昇した。このうち一戸建てが2万8935戸で、長期優良住宅化率は84.9%となっている。構造別では鉄鋼系が87.0%、木質系が80.8%、コンクリート系が16.0%。全長期優良住宅認定戸数の一戸建てに占めるプレハブ住宅の割合は21.1%だった(グラフ5)。
共同建の長期優良住宅のプレハブ住宅完工戸数は4604戸で6.7%にとどまるが、前年から6.3ポイント上昇。低層賃貸住宅においても、長期優良住宅化率は7.6%と前年の0.5%から大幅に上昇している(グラフ5)。
都道府県別でみると、プレハブ住宅比率が最も高かったのは岡山県(20.3%)だった。次いで奈良県(18.8%)、滋賀県(18.7%)と続く。一方、最も低かったのは沖縄県(0.7%)で、以下青森県(3.9%)、北海道(4.8%)の順。プレハブ住宅の完工戸数が最も多かったのは東京都(1万6824戸)、次いで神奈川県(9316戸)、埼玉県(8376戸)となった。
また、協会は災害時の応急仮設住宅供給体制として、全国47都道府県および13救助実施市と協定を締結しており、災害救助法に基づく要請に応じて会員企業を斡旋している。2023年度は令和5年奥能登地震および令和6年能登半島地震により石川県で計1477戸を建設。2024年度も令和6年能登半島地震の影響で石川県に3006戸を建設し、同地震による累計は4467戸に達した。
なお、調査は加盟84社を対象に実施したもので、回答率は100%となっている。
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