テラドローン、クマよけスプレー搭載ドローンを開発・発売

Terra Drone（テラドローン、東京都渋谷区）は11月7日、クマよけスプレー搭載ドローンを開発したと発表した。

上空から唐辛子スプレーを遠隔操作で噴射する仕組みで、クマに接近することなく背後・側面からの全方位噴射に対応可能。オペレーターが状況を把握しつつ、安全な距離を保ったままクマよけスプレーを噴射できるため、風向き待ちの時間を減らし、最小限の噴射で対応ができるという。

製品パーツの説明

日本各地でクマの人身被害や市街地付近での出没が増加し、夜間・藪地での視認性低下、現場要員の安全確保等が課題となるなか、同社はこれまで測量・点検・農業分野で培ってきたドローン設計・開発のノウハウを生かし同製品を開発。上空からの広域探索とオペレーターの安全確保の両立を実現した。

クマよけスプレーの一般的な噴射距離は約5～10mで、主成分のカプサイシンが人間の数千倍の嗅覚を持つクマの目・鼻などの粘膜に強い刺激を与えるため、突進や接近から退避する時間を確保することができる。同製品は、クマよけスプレー缶とFPVカメラを機体に搭載し、コントローラーで映像を確認しながらワンボタンで上空からの遠隔噴射が可能。GPS Position飛行により、屋外での安定運用を実現した。飛行時間は約10分。電波距離12km。

運用は、各自治体と災害時応援等の協定を結ぶ地域の測量会社・防災事業者等がドローンのオペレーターを担当し、同社が講習と製品提供を行う。クマと操縦者の距離を約500m～1kmに維持し、現場の安全を確保するとともに、クマに不快刺激を学習させ人や市街地への最接近を阻止する。

今後は、2026年3月を目途に「飛行時間を約75分へ延長」「赤外カメラ／可視光カメラを搭載」した新モデルを開発。全国の自治体を中心に同製品を展開し、講習・保守を含む運用体制の整備を進めていくとしている。