建築家と工務店のマッチングサービスなどを手がけるザ・ハウス(東京都渋谷区)は、建築家・岡村泰之氏が設計を手がけた新築シェアハウス「フキネコテラス」に、同社が提供する見守り支援サービス「ひとり暮らし安心プラス」を導入し、高齢単身者に向けた“自立型住まい”として提案を開始した。
背景には、高齢化と単身世帯の増加による「ひとり暮らし」への不安の広がりがある。一方で、施設型住宅のように管理された住環境ではなく、「年齢に縛られず、自分らしく暮らしたい」というニーズも根強い。ザ・ハウスでは、そうした社会状況を踏まえ、「自由な暮らし」と「安心な支援」の両立を図る新たな住まいの在り方を模索してきた。
2025年4月に完成した「フキネコテラス」は、個室のほか中庭、ルーフバルコニー、土間といった多様な共用空間を備え、暮らしの多様性に応える設計となっている。空間全体を「自分の暮らしの舞台」として活用できる点が特徴だ。
加えて導入された「ひとり暮らし安心プラス」は、定期的なSMSや電話による安否確認などを通じて見守りを提供。施設的な監視ではなく、必要なときに必要な支援を受けられる仕組みにより、住まい手の自立を尊重した暮らしを実現する。
また本モデルは高齢者に限らず、リモートワーカーやセミリタイア層、ミドル世代など「自由な暮らしを求めるすべての単身生活者」に向けた新たな選択肢としても位置づける。
ザ・ハウスでは今後、建築家や不動産オーナーと連携しながら、本モデルのさらなる普及に取り組む考えだ。「暮らし方そのものを変える」ことを目的に、持続可能で多様性のある住環境の実現を目指す。

フキネコテラス外観
■関連記事
単身高齢者の賃貸住宅借りやすく 新サービス提供開始
児童がいる世帯は16.6% 「65歳以上がいる」は約半数―厚労省
24年版「高齢社会白書」 高齢者の幸福感、住宅満足度に相関
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。