AGC、反射角度制御できるRIS反射板を開発

AGC（東京都千代田区）は、5Gミリ波（28GHz）帯の屋内エリア改善に向け、屋内の壁や天井に設置することで電波反射方向が切り替え可能なRIS反射板を開発したと発表した。

5Gミリ波を代表とする高周波数の電波は大容量のデータを高速で受発信できるが、直進性が高く減衰しやすいため、基地局アンテナから発信された電波は、建物などの構造物の裏側には届きにくい。その改善策の一つとして反射板が期待されているが、従来の反射板は特定の方向にのみ電波を反射させる仕組みのため、屋内で広範囲にわたり受信電波強度を改善することはできなかった。

今回開発したRIS反射板はそういった課題の解決に取り組んだもので、従来の反射板とは異なり、電気的に任意に反射角度を制御することができるという。

日本電信電話（NTT、東京都千代田区）とNTTドコモ（東京都千代田区）の2社で行った共同実験では、窓を介して室内に浸透してきた基地局からの電波が、RIS反射板を介して室内の様々な方向に反射した場合の、受信電力の改善具合を検証。反射制御技術を適用したRIS反射板を運用した状態と運用しない状態とで、28GHz帯の受信電力を最大で20dB程度改善することが確認されたという。

RIS反射板