ホライズンXX(東京都豊島区、尾熨斗啓介代表)の環境・省エネルギー計算センターは4月24日、「J-REIT環境性能評価・認証取得状況調査2025」の結果を公表した。これによると、J-REIT(全57銘柄)が保有する不動産における国内3大環境性能認証(BELS、CASBEE不動産、DBJ Green Building)の総取得数は2215件となり、24年1~2月に実施した前回調査より272件、13%増加した。
また今回の調査では、「DBJ Green Building」(日本政策投資銀行の認証制度)の取得数が92件減少した一方で、「CASBEE不動産」(建築環境総合性能評価システム)が283件増加。有効期間が経過したタイミングで、有効期間が5年の「CASBEE不動産」に切り替えるケースが顕著となっている。
「BELS」(建築物省エネルギー性能表示制度)の取得件数は計677件で、前回調査から81件増加。このうち「☆5」の264件が最も多く、24年4月から開始した新BELS制度で導入された「☆6」を取得したのは6件(0.9%)にとどまった。ランク比率に大きな変化はなく、ランクに関わらず取得する傾向が見られる。用途別では「工場」(285件)、「事務所」(175件)、「ホテル」(113件)が上位に。「居住用施設」は44件だった。

「BELS」の取得状況
集合住宅でCASBEE取得増加
「CASBEE不動産」の取得件数は1071件で、前回調査の788件から大幅に増加。内訳は「S」が470件、「A」が577件などとなっている。用途別では「オフィス」が467件で最も多かった。また、「集合住宅」(233件)が140件増と大きく伸びた。

「CASBEE不動産」の取得状況
「DBJ Green Building」の取得件数は467件で、前回調査の559件から減少。新規取得が多く、24年4月より運用を開始した“ホテル版”の取得も出始めている。その一方で、有効期限が3年と短いことから、他の認証制度に切り替えるケースが多く見られた。
相対評価で決まる「GRESBリアルエステイト」では、「★★★★★」を15社、「★★★★」を18社、「★★★」を11社、「★★」を6社、「★」を5社が取得。このうち前回調査から12社がランクアップし、8社がランクダウンした。認証別では「BELS」が4社増、「CASBEE不動産」が2社増、「DBJ Green Building」が1社減となっている。
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