富士通とセールスフォース　山陰合同銀行の次世代ローンシステム開発に着手

富士通（東京都港区）とセールスフォース・ドットコム（東京都千代田区）はこのほど、山陰合同銀行（島根県松江市）の個人ローン手続きを非対面かつオンラインで完結できる次世代ローンシステムの開発に着手したと発表した。

同システムは、セールスフォース・ドットコムが提供するローンの申し込み管理機能を持つ「Salesforce Financial Services Cloud」と、顧客とのコミュニケーションやポータル機能を持つ「Salesforce Experience Cloud（旧称Community Cloud）」、富士通が提供するローン審査機能を持つ「Cloud Lending」を、Salesforceプラットフォーム上で構成するというもの。Salesforceプラットフォームをローン業務システムとして採用するのは国内地域金融機関としては初めて。

これにより、個人ローン業務のうち、申し込み手続きから銀行による審査、融資実行までをオンラインで完結できるのに加え、システムやデータがシームレスに連携することで情報の一元管理が可能となる。銀行内の業務効率化のほか、ローンに関する情報を集約したマイページ提供による顧客との接点強化およびエンゲージメント向上が期待できるとしている。

山陰合同銀行では、2021年春からはカードローンやマイカーローン、教育ローンなどの運用を、2021年秋からは住宅ローンの運用を開始し、段階的に機能拡充を図っていく予定。

金融機関におけるデジタル化は、業務効率化や競争力強化だけでなく、顧客の利便性向上につながるとして急速に進んでいる。両社は、山陰合同銀行の次世代ローンシステム開発にあたり、顧客接点強化と業務のデジタル変革を共同でサポートしていくとしている。