信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、イワイホーム(熊本市、岩井健一社長)と関係会社の小岩井ドリーム(同所、岩井久子社長)は7月25日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。負債はイワイホームが2022年9月期末時点で約20億4200万円、小岩井ドリームは現在精査中だという。
《関連記事》2023年上半期の企業倒産、建設業は前年同期比36.2%増
イワイホームは、熊本市内を中心に鹿児島県でも分譲住宅の販売を手がけていたほか、注文住宅の施工も行っていた。熊本県内にモデルハウスを2店舗開設していたことに加え、テレビ広告を用いるなど地場では一定の知名度を有し、2014年9月期の年売上高は約20億5400万円を計上。2016年11月には鹿児島支店をオープンするなど、事業の拡大を図っていた。
しかし、同業他社との競合などによりモデルハウスの集客に苦戦したことで受注が減少。2022年9月期の年売上高は約8億3400万円までダウン。この間、赤字決算を計上するなど収益は低調に推移していた。
近時はコロナ融資を活用してしのいでいたほか、若手スタッフの採用計画を立て営業力の改善を図っていたものの、在庫として抱えていた分譲用土地の販売が鈍るなか、分譲用の土地購入にかかる借入金の返済負担も重荷となっていたことから、2023年7月25日に大英産業(福岡県北九州市、一ノ瀬謙二社長)に住宅建築販売事業を譲渡し、今回の事態となった。
小岩井ドリームは、イワイホームが手がけた住宅のメンテナンスにともなう増改築工事を行っていたものの、2023年7月25日に大英産業へアフターメンテナンス事業を譲渡し、イワイホームに連鎖する形となった。なお、2社とも新型コロナウイルス対策資金を調達していた模様。
債権者説明会は8月8日(火)午後8時より、熊本市流通情報会館(熊本市南区流通団地1-24)にて開催する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。