【特集】専門家・団体リーダーに聞く 「あり方検討会&たたき台」の評価と脱炭素施策~自然エネルギー財団

少なくとも2023年に基準適合義務化導入へ、
適切な水準の設定も

太陽光発電設備導入義務づけなど諸外国で実現している制度を日本でも

大林ミカ氏(公益財団法人自然エネルギー財団 事業局長、「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」委員)

 
新建ハウジングでは、3省合同で開催されている「あり方検討会」(脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会)をうけてキーマンへの公開取材を続けている。検討会の第3回では国交省から「たたき台」が提示されたが、検討会&たたき台についての評価・感想と今後の住宅分野における脱炭素施策について、専門家やこれまで住宅の省エネ・高性能化に取り組んできた団体のリーダーに私見を寄稿いただき、新建ハウジングDIGITALで全文を公開することとした。なお、意見書は検討会の竹内昌義委員と共有し、活用いただいた。
ここでは公益財団法人自然エネルギー財団事業局長で「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」委員の大林ミカ氏の寄稿を紹介する。

 

1.検討会・たたき台について:基準適合義務化取り消しの国交省の責任は大きい

1999年に定めすでに義務化が決まっていた省エネ基準が、延期どころか知らぬ間に義務化そのものが取り消された状況になっていた。
省エネルギー技術を施した快適で健康な住宅に住まいたいという施主の意向や、高性能の住宅を作り人々に提供したいという全国の志ある施工会社の期待を無視し、明確な理由もなく市場を混乱させた国交省の責任は大きい。

 

2.住宅の断熱・省エネの目標案:全速力で脱炭素化と省エネルギーを加速する必要

今回の検討会の過程で、実際には基準が多くの範囲で達成されていることや、市場に十分な省エネルギー技術が消費者の手に届く価格で提供されている現状が明らかとなった。
日本政府の2050年までのカーボンニュートラル実現方針や、新しく宣言された2030年のNDCを考えても、全速力で脱炭素化と省エネルギーを加速する必要があり、一部の報道にあるような、2025年の義務化導入では到底遅く、少なくとも2023年の導入を目指して義務化に早急に取りかかるべきである。
また当然のことながら、20年以上前に定めた基準では到底十分ではなく、2030年に46%以上のGHGs(温室効果ガス)削減が可能となるための、適切な水準を新たに設定するべきである。

 

3.住宅の省エネ・脱炭素化について:住宅・建築物がカーボンニュートラルを実現する場へ

住宅・建築物は、一度建設されてしまうとエネルギーを消費し続けるストック材となることから、エネルギー消費の低減、ひいては、エネルギーを生み出す仕組みへと転換していくことが必要である。
日本がカーボンニュートラルに向かう過程では、それぞれに適切な自然エネルギー設備が導入され、住宅・建築物そのものが、カーボンニュートラルを実現する場となることが期待される。

そのためには、太陽光発電設備の導入の義務づけなど、すでに諸外国で実現している制度(バルセロナは新築住宅への太陽熱システム導入を1999年に義務化、カリフォルニア州は新築住宅への太陽光発電システム導入を2020年に義務化)の導入を日本でも行うべきである。

 

公益財団法人自然エネルギー財団
レポート「脱炭素社会へのエネルギー戦略の提案」(2019)で、ネットゼロエネルギー住宅・建築を目標としたエネルギー基準の適合義務化と基準強化、既存建物の改修に向けた政策導入、売買・賃貸時の表示制度の義務化、自然エネルギーの導入に向けた規制・誘導の必要性、2050年の建築分野の脱炭素化を実現するバックキャスティング型のロードマップの必要性を訴えるなど、住宅・建築分野における脱炭素化の方策を提言

 

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