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全棟耐震等級3・短期集中実践塾_第5期 講師インタビュー【後編】

設計の初期段階の鈴木さんの図面。赤い点が柱の位置だ


 

インタビュー後半では、本塾の特徴や学びをどのように実務に活かせるかまで具体的にお話いただきました。

◆質問一覧◆

Q4 構造設計を学ぶ勉強会・セミナーは数多くありますが、本塾の特長は何ですか?

Q5 本塾では具体的にどのようなことが学べるでしょうか?

Q6 「許容応力度計算」は3ヶ月で本当に身につくのでしょうか?

Q7 本塾での学びを実務にどのように生かせるでしょうか?

3ヵ月で手順学び、2−3年で習得
理想は内製化、外部連携で足がかりを

Q4 構造設計を学ぶ勉強会・セミナーは数多くありますが、本塾の特長は何ですか?

まず最大の特長は、意匠設計者の私が講師を務めていることです。
木構造系の勉強会・セミナーでは、構造専門設計事務所、建築工学系研究者、構造計算ソフト開発者などが講師を務められています。私も皆さんと同じようにそれらを多く受講してきました。多くの構造系勉強会は計算式習得を目的としています。私はそれに加えて気密・断熱や意匠上の処理方法など他とのバランスのとり方が構造に対するハードルの一つでもあったので、意匠設計者の目線に立った講座をやってみたいと思ったのが、この塾講師を引き受けた大きな理由です。

2つ目の特長は、「構造計画」の習得に重点を置いていることです。「構造計画が整ったプラン」は、一定のルールに基づいてシンプルに無駄なく軸組や耐力壁が配置されていて非常に合理的です。一方「構造計画が整わないプラン」は、力の流れに無理が生じて、構造計算が複雑で時間がかかるだけでなく、部材1つ1つに余計な荷重負担がかかるため、使用する木材・コンクリート・鉄筋の使用量がどんどん増えてコストが上がってしまいます。意匠設計者として「構造計画」を踏まえた総合的判断ができるようになることが、単に許容応力度計算を学ぶ講座では得られない本塾の特長です。

さらに3つ目の特長は、いわゆる「隠れNG」を解消できること。各社の構造計算ソフトには「計算ソフト上ではすべて検定クリアしているのに、実際の施工現場では不具合が生じてしまう」ということが必ずあります。例えば、実際に施工すると床がふわふわしていたり、基礎に熱収縮以外のクラックが入ったり、場合によっては地震時に想定よりも被害が大きくなってしまうことも起こります。これらの多くは「隠れNG」が原因かもしれません。本塾では私が実務者として積み上げたいくつかのルールを補足することで、「隠れNG」の解消策も指導していきます。

 

Q5 本塾では具体的にどのようなことが学べるでしょうか?

本塾は計算手順に沿って、「構造計画」「条件設定と伏図入力」「鉛直構面と水平構面」「布基礎とベタ基礎」と4つのステップで進みます。各ステップについて「講義=知る」「演習=使う」「宿題=熟す」「発表講評=他の考えを知る」という過程で学びを深めてもらいます。

「講義」「演習」のみで計算手順を最短で把握されたい方は「入門コース」(全8回)、演習課題に取り組み「発表講評」まで受講されたい方は「通常コース」(全11回)、さらに学びの総括として住宅1棟まるごとの構造計算演習に挑戦されたい方は「実践コース()」(全12回)がおすすめです。 ※「実践コース」は好評につき満席となりました

とくに「通常」「実践」の2コースでは「発表講評」の回を設けています。これは「講義」「演習」のあとに「演習課題」に取り組んでもらい、次の回で、受講生の皆さんから1人7分ほどで受講者からご発表いただき、各課題の講評添削を行うものです。

本来架構設計において「どの強さの耐力壁をどこに配置するか」「どの樹種・寸法の横架材を、どの方向に、どのくらいの間隔でかけるか」などは、間取りや意匠との整合、使用部材の統一、施工しやすさ、資材搬入の流れなど、現場の状況によって千差万別のアプローチがあり、構造NG(構造的な破綻)がない限り、それらはすべて正解です。許容応力度計算は「正解が一つではない」ものをきちんと評価できるのが大きな特長です。

本塾では「発表講評」の回を経験してもらうことで、受講者の多様な「正解」のかたちを実感することができます。他の受講者のアプローチを自分のノウハウに取り入れていくことが、その後の計算実務に非常に役立ちます。

加えて「実践コース」では、最後に住宅1棟分の許容応力度計算の過程を一通り実践してもらいます。その結果を1人25分間で発表いただき、講評添削を行います。さらに実践力に磨きをかけたい方はぜひ挑戦ください。

そのほか、本塾では受講者の皆さんに「Facebookグループ」に招待し、グループで皆さんから寄せられた質問を募り、講師が随時回答しています。ここでも本編の内容はもちろん、各社の実物件計算についても自由に質問をぶつけたり、他の受講者の質問に対する講師の回答を読んでいくことで、大きな学びの機会につながるはずです。

 

Q6 「許容応力度計算」は3ヶ月で本当に身につくのでしょうか?

本塾は3カ月間の短期集中で学ぶコースです。それまでまったく構造計算に携わったことのない方でも受講いただけます。

3カ月間の本編の中には、住宅1棟分を許容応力度計算するための手順が一通り全て詰め込まれています。このため本塾を受講することで、許容応力度計算の「手順を知る」ところまでは到達できます。

本塾によって計算手順を身につけた上で、実物件の計算に取り組むなかで、わからない箇所に突き当たるたびに、基本に立ち返る。その繰り返しで徐々に設計の体系を身体に染み込ませていく。ある程度スムーズに許容応力度計算を「習得する」までには2〜3年はかかると思ってください。本塾受講で手順がわかっているので、アーカイブ動画や資料に戻って復習しながら進めていくことで「習得」に到達できます。

「手順を知る」から「習得する」に至るまでの過程で重要なことは、やはり「構造計画」です。間取りを設計する段階で、この建物全体がどんなアプローチで構造計算をすればよいかを素早く的確にできるようになれば、構造計算自体は非常に簡単になります。

 

Q7 本塾での学びを実務にどのように生かせるでしょうか?

本塾受講を経て、「許容応力度計算」を自社の実務にどこまで取り入れていくか。そのゴールは受講者の皆さんの学びの進捗や各社の戦略によって多様であっていいと思います。

理想は、新築全棟で許容応力度計算を自社で内製化です。自社で設計したプランを自ら許容応力度計算することで、根拠のある合理的な架構設計を最小限の手間とコストで実現でき、自社の家づくりをアップデートできます。

すぐに内製化が難しくても、その前段階として外部連携する方法もあります。例えばプレカット工場や、木構造計算を請け負う設計事務所など。彼らのプレカット仕様書や計算データを有償でも購入してそれらのデータを活かすことで、計算の内製化はぐんとやりやすくなります。

ぜひこの塾を通じて、全国の地域工務店さんが許容応力度計算を身につけ、構造安全性にきちんと配慮された木造住宅が1棟でも多く提供されることを期待しています。
(終)

構造上必要な柱や梁、壁も、構造以外の理由付けによってより納得が得られやすくなる

▶▶▶インタビュー前半へ…
 

鈴木淳さんが講師を務める『全棟耐震等級3 短期集中実践塾・第5期』が2月からスタートします
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《申込締切:2月25日(日)17時まで》

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