なぜその年なのか??

新卒入社のスタッフの中から、意思決定権を持つ立場になるスタッフが初めて生まれる年になる予定。常に自立的な組織を目指しており、これまでにも若いスタッフからの提案でいろいろなビジネスや仕組みがつくってきたが、若いスタッフにさらに大きな裁量権を持たすことで、進化のスピードが加速していくことを期待している。

その先のヴィジョンは??

ビジネス展開として、住宅づくりを続けるなら、効率を上げること以外は、商圏の水平展開または、新規事業をやるということしかない。企業経営の目的は、最終的には人をどれだけ育てるか。企業は「人」という考えをベースに、社会貢献できる人材を育てられたら、本当に強い企業になる。スタッフも含め楓工務店に関わる人が幸せになるために、自分の可能性を広げていける企業文化をつくっていきたい。人が育てば、事業はおのずとついてくる。

それに向かった取り組みは??

理念の共有を中心とした採用活動や、内定後すぐに始まる自分磨きなど、人としての成長を主眼にした育成の仕組みづくり(自立的継続的な改善が特徴的)。社長としてマニュアルの原案こそ田尻社長本人がつくったが、その後は毎年の新卒者や教育担当が自分が躓いたポイントを共有し、改善・改訂しながら標準化を進めている。先輩が足跡を残して、次の成長につながていく。動画マニュアルも社員が率先して作るようにしており、その数1000本超にも上る。

会社プロフィール

1997年創業。社員数52人。2019年9月期売上 高17億円予定。同期新築引き渡し予定70棟。 “笑顔の創造”を理念に掲げ、家づくりを通し て幸せを届けるという意識を共有した社員 が施主と寄り添いながら家づくりを進める。

なぜその年なのか??

①2018年に「住学(すがく)」という会を発足させそれが私のライフワークとなり時間の使い方がガラッと変わったから。 住学では勉強会を通じ同業他社とのつながりを深めてきた。(何と言っても懇親会は欠かせない(^^)) 楽しみながら勉強会、情報交換、見学会など参加者のスキルアップにつながっている。 同じ商圏の同じ規模の同業他社であってもライバルではなく同志となった。 またそのつながりが一般の方にも見える様にFBなどを通じ積極的に活動を発信している。 住まいを検討している方にとっては無料のマッチングサイトにもなっている。 同業者間での交流を通じ、普段広告を打てない小規模の建築会社に対して「プロが認めるプロ」である事のPRもできる。

その先のヴィジョンは??

①「住学」を継続し新潟県の住宅建築のレベルを上げたい。いくつかの専門の部活動も活発に活動して行きたい。「構造部」では多くの部員に4号建築物の許容応力度計算をできるようになってもらう。自社物件の計算だけでなく他社からの仕事の受注も見込んでいる。「テクノ部」ではパナソニックとの協業により、プランニング等のスキルアップだけでなく収益アップにもなる。「石田部」では石田伸一(建築家.起業家)氏の持っているノウハウを公開してもらいマーケティングをはじめ受注するための「入口」の作り方を学び実践していく。

それに向かった取り組みは??

まずは「楽しむ」そこを継続したい。楽しいと時間を忘れてのめり込める。頑張れる。パワーが出る。継続できる。人が集まる。(何と言っても懇親会は欠かせない。)

①住学では「本編」の勉強会を2か月に1回。プロ向け完成見学会「番外編」を1月に2回程度。各部の活動は随時開催していく。その中で懇親会の開催は「本編」では必須、それ以外の機会でも極力開催して参加メンバー同士の交流をより深めたい。

②弊社としては年間の着工数はそのままで、より性能や品質の高い住まいを提供していきたい(もちろん1棟あたりの単価も高くなる)。つまりお客様を「選ぶ」もしくは「育てる」ことになる。そのために、弊社が手掛けている住まいが、高性能で高品質であることを発信し続ける。またそんな中でも個性的だったり新しい試みが施された住まいも手掛けていきたい。(平屋)(小さい)(リノベ)(超高断熱)などが、今しばらくのキーワードになるかな、また構造を得意とする弊社ならではのダイナミックでユニークな空間づくりも継続していきたい。

会社プロフィール

1995年設立。社員数4人(うち大工3人)。2018年度売上高2億4000万円。年間棟数は新築7棟・改修2棟。構造計算を自社で行うなど特に構造を得意とし、住み手が変わっても個性が死なない(価値を失わない)住まいを提供。

なぜその年なのか??

①一つは、本社が入る5階建ての大型木造商業ビル「SU・BA・CO(巣箱)」を完成させた2016年。
②そして、それと関連したもう一つのターニングイヤーが今年2019年。2016年から建築してきた大型木造の実績を生かし、蓄積したノウハウ、知見を全国の工務店向けに提供する。

その先のヴィジョンは??

地域のことをよく知り、地元への想いを持つ工務店が、そこに暮らす人々のために、地域の素材を用いて、地域の職人たちとともに地域の気候風土に溶け込む住宅をつくり、住宅だけでなくそのほかの施設までも手掛け、文字通り、地域工務店が地域のまちをつくっていくような世界を切り開くことに貢献していきたい。

それに向かった取り組みは??

住宅をつくる職人が、住宅の技術を用いてつくることができる大型木造のノウハウと仕組みを全国展開していく。自社が直接手掛ける仕事を広域展開するつもりは全くない。あくまで、その地域の工務店がその地域の建物を手掛けることができる仕組みを広げる。自社事業は、住宅、非住宅あわせて域内シェア(密度)を高める。住宅は現状の50棟を、5年後には100棟に。

会社プロフィール

1998年創立。住宅・建築部門の社員数30人(そのうち設計4人、新築営業7人、リフォーム営業5人)。年間受注棟数は、住宅が新築50棟(1棟価格2000~2500万円)、大規模改修7~8棟、非住宅2棟(平均受注単価2億円)。年間売上20億円(住宅・建築部門)

その先のヴィジョンは??

宮内さんが理事を務める、一般社団法人職人がつくる木の家ネットで、加盟工務店が若手大工を採用・育成する仕組みを検討している。地域工務店単体では、大工の確保が年々厳しさを増していることを受け、その対策の一環として、同会を挙げて仕組み化に乗り出す。10月の総会までに具体化に向けた議論を進めていく方針。就職(弟子入り)の仕組みを構築することで、まずは加盟工務店の人材不足を解消させたい考え。

会社プロフィール

1967年屋号掲げる。大工1人、弟子1人。年間新築棟数3~4棟。4代目棟梁で代表の宮内寿和さんは「腕1本で生きていくのが大工のあるべき姿」として、職人としての大工のあり方を大切にした工務店経営を行っている。手刻みによる伝統構法、石破建て、地元産の木を水中乾燥させた材料のストック法など、「大工だからこそできる家づくり」を貫いている。

なぜその年なのか??

総務省が4月26日に公表した2018年10月時点の「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は約846 万戸で過去最多だった。住宅総数に占める割合も0.1ポイント上昇し、過去最高13.6%。岐阜県の空き家率15.6%と、それを上回る。新会社は、今後同県で空き家や中古物件が増加していくことを踏まえ、その受け皿になる。分譲に流れていた若年層の取り込みを図るという。

その先のヴィジョンは??

新会社はリノベーション、リフォーム、メンテナンス、不動産と、それぞれの部門(事業)が独立採算制ではあるものの、各事業部が連携することで、循環型のビジネスを構築できるメリットがある。たとえば、不動産事業部で、土地や中古住宅の仲介を行った場合、それをリノベやリフォーム事業部、ひだまりほーむに紹介することもある。一方、リノベ事業の拡大により、改修した住宅ストックが増加していけば、メンテナンス事業部がOB 施主の専門部隊として修繕に回っていくといった連携もある。新会社では、新築事業で蓄積してきた仕様や空間提案の規模、坪単価などのデータから、概算見積もりを打ち合わせ時に算出する取り組みを始める。メンテ事業部では、ひだまりほーむのOB 施主への定期点検のほか、自社物件以外のメンテナンスにも事業の拡大を図る方針。不動産事業部は、同市のエリア限定で多店舗展開を図っていく。

それに向かった取り組みは??

新会社の施工部隊は、ひだまりほーむの職人組織「ひだまり匠の会」に所属する大工、左官、建具、電気、基礎など各分野の職人が担っている。石橋さんは「将来的には職人の内製化を進め、新会社の業務に特化した職人の会をつくりたい」と言及。5年後までに売上高5憶を目指す考え。

会社プロフィール

「ひだまりほーむ」のブランド名で住宅事業を展開する鷲見製材は1923年製材・建築業として創業。新築棟数45~50棟、改修4~5棟。「住まいと住まいづくりを通して、人づくりと幸せづくりを使命とした“人間大事の経営” を徹底する」という経営理念を掲げ、「人づくり」を企業の使命としている。今年4月、中古住宅事業の強化を目的にストック関連の4事業を分社化し、WOODYYLIFEを新設。


土地にはさまざまな特性があり、一様ではない。「土地を深く知る」ことは地域工務店の強みになる。土地の魅力を最大限に生かす家づくりは、住宅の満足度を上げることにつながり、さらには、都市や街区エリアの価値形成にも大きな影響を与える。地域工務店の設計デザインの未来を語る上で、参考になる2社の取り組みを紹介する。

課題に対する自社が危惧した点とは??
現在の取り組みのきっかけは??

既存の不動産会社の発想は、いかに土地を高く売り、その上にいかにローコストの家を建てるか、というものになりがち。「施主が土地を購入した時点で、家づくりの何割かは終わっている」(鈴木さん)。「くず土地」に可能性を感じながら、それらは一般的な不動産土地情報では見つかりにくい、という課題も抱えていた。

具体的な取り組みは??

既存の不動産会社との付き合いの中で、「くず土地」情報を地道に集める。敷地やその周辺を動画で撮影。「この方向に2階リビングをつくれば、桜の木を眺めてくつろげる」など、建築の視点で不動産を紹介する。

その先のヴィジョンは??

土地を購入した人が一番豊かに暮らせる提案をするべき。買い手の視点に立った不動産会社の全国ネットワークをつくりたい。土地のポテンシャルを生かした基本設計のあり方など、互いに学びあい、成長していける会にしていきたい。 

会社プロフィール

静岡県浜松市で年7~8棟を手がける扇建築工房の創業者・鈴木氏が代表を退き、2018年4月に設立した不動産会社。住宅設計のノウハウを活かし、市場で評価されない「くず土地」「ヘタ地」を活用した、新たな家づくりを実践する。

課題に対する自社が危惧した点とは??
現在の取り組みのきっかけは??

すべての点で危惧しており、満足した項目はないです。ただ、一つ言えるのは「人」を大切にしてきたことでしょうか。

建築はほとんどが人件費であり、たくさんの人が関わります。人の心を動かさない限り良い建築にならないと思いますし、もしなんらかのトラブルがあっても想いのある人間が集まっていれば、必ず解決します。

また、一人ひとりが「考える頭を持つ」ということが大切です。「真似」をするのは悪いことではありませんが、「物真似」では成長がありません。そこから一歩先を自分で考えて問題点を見つけて改善していくという作業は、建築の本質だと思います。

具体的な取り組みは??

一人で考えこまずに、まずは相談して解決策を見つけます。必要あれば遠くでも足を運んでプロフェッショナルに聞いてみることが意識を高める上でも重要だと思います。その繰り返しです。

その先のヴィジョンは??

詳しくは言えませんが、より本質的な建築を追求したいと思っています。テーマは自然界における建築とはどんなものであるべきか、でしょうか。

会社プロフィール

1977年設立。社員数7人。売上高約4.5億円。年間棟数は新築10棟・改修約2棟・設計のみ約2棟。自然豊かでのびのびした環境で建築を行い、省エネルギーや快適性を超えた、自然の摂理に沿った住まいづくりを手掛ける。

住宅業界共通の重要課題である大工をはじめとした現場職人の育成にどのように取り組んでいくべきか。若者離れ、キャリアップの不透明性など問題が山積するなかで、社員化、徒弟制、外部連携といったさまざまな手法で職人確保問題に取り組むトップランナーを講師に招き、これからの育成のあり方、解決策を考察する。

課題に対する自社が危惧した点とは??
現在の取り組みのきっかけは??

工務店業界での工事の細分化はより一層進んでいる。業界全体で、職人や現場監督は、職人や現場監督は、「決められた図面通りに作業すべき」と考える会社が増え、顧客との窓口を営業や設計、プランナーの担当者が行うことが当たり前になっている。高橋さんは「実際に現場でモノづくりをする者と最終的に情報共有しなければならないことを考えると、効率化と、住宅業界で常態化する伝達の不具合を防ぐという意味でも大工自らが顧客対応すべき」と認識を示す。

具体的な取り組みは??

地域工務店の売上の源泉となる生涯顧客の創出には、現場での顧客接点強化や、職人、現場監督への教育が大きな効果を発揮する。現場基軸とした顧客からの信頼の輪を広げていくことで独自のマーケットを構築している。

その先のヴィジョンは??

特別な施策を打ち出していく、ということはない。職人として「当たり前」のことを「当たり前」にできる人材育成を進めていく。職人がいる会社、工事ができる会社という地域での認知が拡大すれば、住宅に関わるあらゆることの相談が集まるようになる。その一つひとつが取るに足らない小規模工事かもしれないが、顧客と繋がり続けることで、顧客の生活変化が応じた時に大がかりな工事の依頼が確実にくるようになる。これこそが原理原則に基づいたマーケティングの構築で将来的な売上を確定させる方法論。顧客も職人も目先の利益に固執することなく時間をかけて育てていく。

会社プロフィール

1994年設立。社員数18人。売上高4憶円。年間新築棟数4棟。職人が安心して将来設計を考えられる環境こそ工務店を強くすると説いている。マーケティング理論を職人に教えることで、最大の顧客接点である職人自ら営業の役目を果たしてくれると提唱。社員向け勉強会からスタートした「職人起業塾」は国交省公認教育事業に認可されている。

課題に対する自社が危惧した点とは??
現在の取り組みのきっかけは??

同社はオフィスビルや大型病院、商業施設、戸建て住宅から、リフォームまで、幅広い領域で「地域の建築専門店」(大野さん)として、ものづくりを行っている。中大規模木造では、営業面だと住宅の新築やリフォームで培ったOB顧客との繋がりをきっかけに、「子どもがクリニックを開業するため施設新築する」などといった受注が舞い込むことも多い。

具体的な取り組みは??

商工会議所や金融機関との連携で、建築ニーズや土地活用の相談を得て、受注につなげている。生産体制面では、設計事務所やプレカット工場と連携体制を構築しているほか、地元建設組合と災害時連携協定を結び、緊急時に大工を融通できる体制を整備している。

会社プロフィール

1907年設立。社員数65人(住宅部門22人)。売上高50億円。年間新築棟数は45棟。住宅やリフォーム、オフィスビル、大型病院、商業施設まで幅広い領域で「地域の建築専門店」として、ものづくりを行っている。

デジタル技術が住宅のつくり手と施主を結び付け、新たな市場を生み出す。その新市場に対応すべく、地域工務店もデジタル技術を使って自社の強みを生かし、新しい住生活提案を行うデジタル経営に舵を切る可能性が出てきた。驚異的に発展し続けるデジタル技術を駆使し、中小工務店の経営改革を進めている先進的な2社を紹介する。

課題に対する自社が危惧した点とは??
現在の取り組みのきっかけは??

成約率を上げるためには、顧客分析データが必要になる。そのために家づくりの情報を一元管理する工務店向けアプリを使ってデータを蓄積し、顧客に提案できるサービスを工務店に提供をしている。この取り組みで工務店ネットワークを現在600社から2022年までに7200社に広げる。

具体的な取り組みは??

2022年には想像もできないパワーバランスの変化が起きている。「所有」から「利用」の時代。施主の総賃貸オーナー化の時代が始まる。そのために、施主が賃貸オーナーになるための情報を工務店は持っていなくてはならない時代がやってくる。住宅の履歴や資料管理が求められる。工務店はIT事業者とともに不動産管理事業者をする新しいビジネスモデルが求められる。OB顧客の賃貸仲介事業が始まる。顧客の累積データが求められる。住宅会社は顧客の資産運用支援事業者に生まれ変わる時代がやってくる。

会社プロフィール

2018年10月に、SOUSEIのIT事業部から新会社に発展。住宅とIT技術を融合させ、未来の暮らしの常識創造をめざす住宅IT関連会社。

課題に対する自社が危惧した点とは??
現在の取り組みのきっかけは??

2019年5月に「100年続く工務店を研究する会」を設立。また、芝浦工業大学デザイン工学科の蘆澤雄亮助教とネストハウス、タグバンガーズとの三者協働で、ハウスメーカー向けタイムライン型顧客管理システム「名称:Scoope(スコープ)」を開発し、運用・販売を開始。顧客情報や施工の進捗・工程情報などの管理を行う。日常業務である業務日報に顧客情報が多く盛り込まれていることに着目し、業務日報を記入することが顧客情報の更新になるようなシステムにした。また、百年後も続く工務店(ハウスメーカー)のあり方を研究する会を設立し、顧客が勝手に来てくれるしくみづくりを明らかにしていく。

具体的な取り組みは??

今後、OB顧客を中心に顧客が顧客を呼ぶような新しい仕組みが生まれてくる。この仕組みを百年後も続く工務店(ハウスメーカー)のあり方を研究する会を中心に確立していきたい。

会社プロフィール

2016年に、暮らしを提案する複合施設「イロハーブ」をオープン。「住まいづくり」と「暮らしづくり」をプロデュースする山口県岩国市の工務店。年間新築棟数30棟